AEG G.IV
● AEG G.4  AEG G.IV ●
実機について
1次大戦時のドイツの爆撃機と言えばゴータ(Gotha)のG(Grossflugzeug)シリーズが有名であるが,この機体はAEG(Allgemeine Elektricitats-Gesellschaft)によって開発設計された戦略爆撃機である。III型の発展形として1916年後半に登場した多座双発発の重爆で,最終的には双垂直尾翼のIVk型(5機のみ製造)まで発展する。

総製造数は300ないし320機前後で,当初は双発重戦闘機として構想され,そこから発展し800kg程の爆装が可能な機体に仕上がったが,大戦中で最も操縦が容易だった爆撃機と言われている。AEG K.I(後にG.Iに改称)は200馬力,G.II が300馬力で1915年に開発され,G.IIIは440馬力に増強され,520馬力のこのG.IVの試作機の完成は1916年の9月であった。

フォッカーは当初から鋼管胴枠を採用していたが,この時期になるとAEGなど他社にも鋼管を採用した機体が見られるようになる。この機体は鋼管胴枠に機首部は合板張りで,その上に補強の為に布が張られた胴体を持つ。後部は布張り。翼は典型的な布張だが,翼スパー(桁)やストラット(翼間支柱)は鋼管である。エンジンは260馬力のダイムラー・メルセデスのIVaを2発搭載しており,スターボード側が逆転仕様となっている。

通常乗員は,パイロット,後部機銃士,指揮官の3名で,指揮官用の座席は取り外して格納出来る構造になっていた。これはこの機体が離着陸時に転倒転覆するケースが多く,その際に指揮官が機外に投げ出されることから守る為のシートであった。また,指揮官用の取り外し出来る補助操縦桿も準備されていた。機銃は前方,後方,下方と最大で3丁のパラベラムを装備出来た。

当初は昼間・夜間爆撃の双方に使われたが,やがて夜間爆撃機が殆どとなる。また,夜間時の運用では通常乗員は2名で,後部機銃も下方機銃1丁だけが設置されることが多かった。爆装は機内に12.5kgのPuW製(Prufanstalt und Werft der Fliegertruppen 最初の『u』はウムラウト=「The Test Institute and Workshops of the flying troops」)爆弾を,外部には同じく50kg,100kgを合計800kg〜1t搭載可能であった。ちなみにゴータG.IVの最大積載量は600kgに過ぎなかった。初期型では,機首に積まれた12.5kg爆弾は1個ずつ手で投下するようになっていた。外部搭載の爆弾は,爆弾を固定してあるワイヤーを内部にあるノブで1個ずつ外して投下するようになっている。


主な緒元
・全長:9.7m
・翼幅:18.4m
・空虚重量:2,400kg
・最大重量:3,640kg
・エンジン:Daimler-Mercedes D.IVa 水冷直列6気筒 260hp×2
・武装:Parabellum 7.92mm×3 800kg以上の爆装
・最高速:165km/h
・製造機数:1916年後半から1918年後半までに約300機
・上昇限度:4500m
・上昇率:1000mまで5分
・航続距離:4〜5h


キットについて
ウイングナット・ウイングズ

極端な円安環境で発売されたので,直販価格でも約3万円という高価なキットになっている。これまでのウイングナットのキット同様に国内で流通したとしても,その価格は3万円代後半と推測される。昨年,社長(コーディネーター)のリチャード氏と話した際に,日本のビルダーにとっては,非常な円安で購入が厳しくなっていると愚痴を言うと,彼も,メーカーとしても製造コストが上がって苦しいのだと話していたが,中国の製造原価も高騰しているのだろう。


制作について  (制作2015年10月)
1918年中頃,'White VII,

初期型のローゼンジ・パターンは,大きめの正六角形だったようだ。後期型になると小さいな正六角形のものや,大小の正六角形,それに変形の細長い六角形が混じったものなどバリエーションが増える。この模型では小さめの変形六角形で,暗め5色ローゼンジに仕上げた。勿論,マーキングも含め,塗りである。

スターボード側のエンジンはカウル全て外した状態で,ポート側はフルカウル固定状態で仕上げた。この時代のファルコンやイーグルと言った英国製のV12エンジンだと補器も含め構造が複雑で見栄えがするが,このDM4aは合理的に作られているのか単純と言うべきか,スッキリしている。その分,模型としては少々物足りないところもある。が,配管やらキットでは再現されてない補器を,当時の写真を元に追加したことで,見応えのあるものになった。メカを楽しむには当然カウリングを外す必要があるが,重爆としての重量感や威厳はカウリングが有ったほうが遥かに実感できるので,片側をフルカウル状態にしたのは正解だったようだ。

コクピット内部も同年代の英国機と比較すると極めてシンプルで,折角,大きな開口部が複数あるのに中はスッキリしているのが少々物足りない。しかし,ゴータG.4と比較すると,コンパクトにまとめられた機体は重量感も存在感はかなり満足行くものである。実際,これまでの機体で一番重い。

今回は慣れない双発ということもあるのだが,取説に少々わかりづらい部分があった。価格もそうだが,初めて複葉機を作る人には少々作り難いところがあるのであまりお勧めしない。また,今回も,前回のファルツD.12に引き続き,ガスパッチのターンバックルを使用した。ホワイトメタルの地色のままなら目立つのだが,黒で塗装するとあまり存在感がなくなり,実機に近くなるが,作り手としてはやや淋しい。

また,今回はモデルカステンのリギング糸を使ってみた。理由は2つ。まず,これまで使っていたEZラインは扱いやすく嫌いではないのだが,致命的な欠点がある。断面が真円ではないのだ。なので,注意して張っても,何本かはある程度ネジレが出てしまう。地のままなら殆ど気にならないのだが,シルバーで塗装するとネジレが酷く気になる。もう1点は,全くテンションが掛からないので,補強としての意味はなく,単なる装飾になってしまうところだ。単座機では問題ないのだが,翼幅のある複座機では翼間支柱だけでは強度が不足し,上翼が心もとない。以前は伸ばしランナーを使うことで補強が出来ていたが,素材となるタミヤの丸棒のスチレンの密度が低くなったようで,強度が出なくなった。張った後にちょっとのことで切れるので話にならないので,EZラインを採用していたが,上記の理由で不満があった。

モデルカステンのリギングは,艦船用のメタルタイプと複葉機用の樹脂の伸張タイプとがあるが,伸張タイプも,細・太の2種類がある。伸張するとは言え,EZラインのようには伸びないので,太い方は1/32にしか使えないだろう。1/48のサイズまで伸ばせば伸びるにしても,ヒートンが持たない。大型の48には細いタイプを使って補強を兼ねるのが良いように思えるが,細いタイプを使ったことはまだない。この糸はテグスのような感じだが,割りと伸ばしても収縮する力もあるので補強に使える。また,断面は真円で,艶のある黒なのでそのまま張り線の雰囲気が出る。ちなみにEZラインは焦げ茶の艶なしである。

個人的には,実スケールよりも少し細目のラインが好きなのだが,このラインの太さも悪くないので,今後はこちらを主に使おうかと思っている。ただ,どちらのラインも25〜30mで1500円から1800円位と安くはない。今回は在庫整理なのか,1300円で買えた(2個しかなかったが)ので良かったが,なかなか大変である。ラインとターンバックルだけで6千円は掛かっている。ガスパッチのターンバックルはバリも殆どなくよく出来ている。前回はニッパで切り出したが,かなり硬く,1本切るだけで刃がこぼれた。今回は,ラジペン状のもので挟んで根本をグリグリすると簡単に外れることがわかったのでそうやって外した。楽だった。ガスパッチの日本代理店はメーカーともめたようで,追加入荷が行われてないそうで,元々取扱店が少ないこともあって,現在はめぼしい小売店では見当たらない。そこで,メーカーから直接購入したが,1週間で到着した。ギリシャからこのペースで到着するのは珍しいと聞くが,初めてなので真相は不明。メーカーの対応は迅速丁寧であるが,あの国のこと,確かに郵便事情が心配だ。


 ギャラリー1

 ギャラリー2

 ギャラリー3

 ギャラリー4

 ギャラリー5

 ギャラリー6


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