● AMC  DH.9a 「ナイナック」 AMC DH.9a "Ninak" ●
実機について
1次大戦終戦の1918年初めに登場した複座単発の軽爆である。AMC(Aircraft Manufacturing Company)によって開発設計された機体で,後のDHが示すようにデ・ハビランドの設計を示である。前身であるDH9は4000機以上製造されたにも関わらず,非力なエンジンの為に失敗作とされていた。その欠点を補う為にV型12気筒400馬力という強力なエンジンを搭載することで実用的な爆撃機としてその後10年間製造され続けた。

英国・米国のライセンス製造を合わせて約6000機,更にロシアの非ライセンス下のコピー機がポリカルポフR1の名称で2400機前後生産されている。また中国でも採用されていたようだ。

「ナイナック」といういう愛称に特に意味はなく,英語のゴロで「ナイン」と「エイ」をつなげて作られたものらしい。前身のDH.9は小さいエンジンの為に機首部がとんがった感じの以下にも非力そうなスタイルであったのに対し,この改良型のa型は四角い箱を取り付けたような実用的かつ頑強なイメージを生み出している。全体に華奢で美しいイメージのドイツ機に対し,なんとも無骨な実用重視のデザインである。

装備は,英国の複座機ではよくある前方1門,後方回転銃座に1ないし2門の機銃で,爆装は最大300kgまで可能とされている。また,偵察のミッションも行ったので,胴体下にカメラ用の開閉可能なスリットが設けられている。機首形状は全くことなるものの,雰囲気的にはブリストルファイターと酷似しているが,同じ12気筒でありながら100馬力以上エンジンパワーが劣るビフの方が頑強かつ優雅なスタイルに思いえる。


主な緒元
・全長:9.22m
・翼幅:14.0m
・最大重量:2,184kg
・エンジン:Liberty V12 水冷12気筒 400馬力
・武装:Vickers .303(7.7mm)×1  Lewis .303(7.7mm)×2 300kgまでの爆装
・最高速:193km/h
・上昇限度:5,500m


キットについて
ウイングナット・ウイングズ

このキットもウイングナットだが,1年前(おととしの冬)に発売されたものだ。すぐに購入したが,やはり英国の大型機は覚悟をして掛からないと完成をみないので,今になってしまった。

このキットも胴体部にややヒケがみられ,組立図のパーツ番号のミスプリなどもある。コンピューターを使っての3D設計では,恐らくは型に流しこむ正確なプラスティックの量なども計算出来るのだと思うが,ヒケや若干の歪が生じているのは,設計自体ではなく,金型を起こす段階でのことなのかも知れない。金型屋が変わったのだろうか。それとも射出屋が変わったのか。ただの気のせいか。

基本的に組み立て前にパーツを洗浄するなどという面倒なことはやらないのだが,新キットということもあり,射出のロットによっては離型剤がかなり残っているパーツもある。どうやっても塗料を弾く程のものある。一般的には洗剤に浸け置きしから洗い流したりするのだろうが,時間も掛かり面倒なので,私の場合にはシンナーをぶっかけてティッシュで拭きとるようにしている。


制作について  (制作2012年立春)
1918年,Sqn 155所属, 搭乗:unknown,識別番号:8553 N

1年前に作ったブリストルファイターもこのナイナックも,共に模型としては大変作り甲斐も見応えもある機体だ。2次大戦期は英国機よりもドイツ機の方が見応えがあるが,1次大戦機は英国の大型複座機が最も魅力的かも知れない。

エンジンは時代が進むにつれ洗練されてくるので,このV12のエンジンも周りの付属装置もすっきりとしている。取り敢えずプラグケーブル関係は追加したが,12気筒のツインプラグの工作は大変この上ない。またエンジンがコンパクトに出来ているのでてを入れにくいということもある。更にこのエンジンの場合,カウリングを外してもエンジンのてっぺん以外ほどんど見えないので,それを考えると良いのかも知れない。

この機体のカウリングと前席の間には2個の小さなプロペラが付いている。これは風力を利用した燃料ポンプだそうだ。また,エンジンの大型化に伴い,補助燃料タンクが上翼中央に設けられている。この辺りの細々としたパーツが面白みを増してくれる。木製の板で出来たラジエター・シャッターも家の窓のようで面白い。更に今回は初めて塗装済みのプロペラとなった。中央部は木目のままであるが,理由はなんだろう。ヒビなどを発見し易くする為だろうか。

マーキングに関してはシンプルなので,通常の手順で行ったが,ホイールカバーは少々面倒だった。爆弾はブリストル同様にフリーハンドで塗ったが,前回同様に数が多いので面倒かつ,統一性を保つのに気を遣う。タイヤのロゴは,手塗りの味よりもシャープさを優先したかったのでデカールにした。この機体では車輪も見せ場のひとつと思う。英国機独特の短調な翼の色の表現は,本来単調さを補う工夫をするものだが,実はあまり気にしていない。なぜなら,こういう機体は張線や細部に目が行くので,短調な色あいでもあまり気にならないからだ。とは言うものの,軽くグラデーションを施した。

何と言っても大変なのは張線だ。この機体は主翼のフライング・ワイヤーがダブルになっていないのが救われる点であるが,尾翼がダブルになっていたり,内側の支柱と胴体の張線が余計に張られていたりして,これまでで一番面倒な状態だ。当初は組み立図を見てもよく理解できず,暫く眺めることになった。ターンバックル部をもっと作り込む手ももあるのだが,個人的にはこれでも十分に鑑賞に耐えると思っているのでこれ以上の加工はしていない。

写真ではよく分からないが,ラダーリンケージが2重になっている。機体によっては後部座席にも操縦桿とラダーのフットバーが付いたものがあるようで,この模型には付けた。後ろでも前でも操縦が出来るようだ。爆撃照準用の窓は全席側に,偵察用カメラの窓は後席側にあるのでそういう役割の分担の為に後部席にも操縦機能があるのかも知れない。

確かにこれだけの大型機をこの細かさをもって1/32で作ると見栄えがするが,いかんせん大き過ぎやしませんか。次回の完成はFE2bになる予定だが,あちらは胴体がない分翼がさらに大きい。張線も半端ないので楽しみである。



 ギャラリー1

 ギャラリー2

 ギャラリー3

 ギャラリー4

 ギャラリー5

 ギャラリー6

 ギャラリー7
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