RAF FE2b ● RAF  FE2b 「前期型」 RAF FE2b early type ●
実機について
ファルマン機からの発展であるFE2シリーズは,1915年の1月に100hpのエンジンを搭載し初飛行を迎えた。ガン・キャリアーのニックネームを持つこの機体は,「FE2」の後に「a」が付けられた。エンジンを120hpに換装された後に,1915年の後半になると,末尾を「b」に変えた改良型が作られた。

「b」型の初期型はベアードモア製の120hpエンジンを搭載されていたが,後期型には160hpのエンジンに換装されている。終戦までに1800機が製造されている。 「FE2b」の初期型では,滑走路でのつんのめりを防止する為の補助輪がメインギアの前方にひとつ装備されてるのが特徴だが,付いていないものも見られる。後期型ではすべての機体から全て撤去されているようだ。

その後,更にエンジンが換装され,V12気筒の250ないし275馬力のロールスロイスエンジンが搭載された「FE2d」が登場する。機体サイズは「FE2b」と同じである。やはり当時は根本的にエンジンパワーが不足していたのだろう。

ライズオブフライトのでこの機体を飛ばすと,その操縦性の悪さを実感出来る。ファルマン型の飛行機,すなわちプッシャータイプは胴体の強度の問題などを考えると実用的ではなく,戦後には姿を消してしまう。恐らくこの機体が採用された最大の理由は,機銃の問題だったと思われる。比較的早い時期にプロペラ同調装置が実用化された後には,もやはこの機体は時代遅れのものとなっていただろう。

模型を作ると実感出来るが,蜘蛛の巣のように張られた張線の重量もさることながら,天候や飛行毎のメンテナンスの手間は並大抵ではなかっただろう。機動性が低かったに違いない。


主な緒元
・全長:9.7m
・翼幅:14.6m
・最大重量:1,500kg
・エンジン:Beardmore 水冷6気筒 120馬力
・武装: Lewis .303(7.7mm)×2 160kgまでの爆装
・最高速:147km/h
・上昇限度:3,350m


キットについて
ウイングナット・ウイングズ

この機体のキットの箱は他のキットのそれよりも厚みがあり,重みもある。パーツが多いのかと思ったが,実は使わなパーツが多く含まれたいる。後期型との共通パーツと前期型専用パーツ,さらに英国機に共通の爆弾や機銃のパーツが入っているせいで全体のボリームがふくれあがっているのだ。

設計に関しては,技術的な問題なのかも知れないが,パーティングラインの取り方が模型作りをしたことがないエンジニアによってなされたのではないかと思うパーツがひとつふたつあった。

また,この機体独特の胴体の構造は,このスケールのプラ棒では強度的不安があったが,特にパーツ置き換えは行わなかった。全体として特に問題のないキットである。


制作について  (制作2012年啓蟄)
1916年5月,Sqn 25所属, 搭乗:McMaster & Grinnell,識別番号:6341

この機体は,趣味として複葉機模型を楽しむ私としては,最も作りたくなかった機体であると同時に,一番作りたかった機体でもある。その理由は一重に張線の多さだ。複葉機模型を敬遠するモデラーが口を揃えて言うのは,張線が面倒かつ難しいというものだ。実は,よくある複葉機なら,一度コツを得ればそれぼど面倒ではない。しかしながら,流石にこれだけ複雑に多数張られているとその位置関係の把握することすら簡単ではない。説明が十分になされているウイングナットのキットでさえこの機体には張線の位置に悩まされたが,同時に複葉機模型ファンとしては存分に楽しめもした。

今回制作した機体は,現タンザニアのザンジバル国からの援助(供出)で作られた機体で,胴体に「Zanzibar No.1」と記載されている。当初はこのマークも手描きにしようと思ったが,時間短縮とシャープさを優先させる為にデカールとした。

前方に補助輪がある120馬力タイプのエンジンを搭載した機体である。これは,直後に作る予定の後期型との対比をはっきりとさせる為と,特徴的な補助輪付きにしかったせいである。放熱を高める為に,銅メッキされたエンジン・シリンダーも特徴的で,なおかつ,他の多くの機体とは異なり,胴体に組み込んでからもその殆どが見えるのが良い。よって,ディテールアップには念を入れた。プロペラは2翅である。

木質塗装は複葉機の塗装の中で最も楽しみな部分だ。半光沢を基準にして機体によって艶を強めにしたり弱めにしたりする。本来ニス塗りなどで表面は相応の艶があったもと思われるが,模型の木の表現としてはあまり艶が強いのは宜しくない。今回は艶をやや残した状態にした。また,色調も明るめにしてみた。

一方で,翼の塗装だが,迷彩のない単調な塗装には苦労する。こういう場合には多くのモデラーはウエザリングで対応するようだが,汚し嫌いの私の場合にはそうもいかない。とは言え,1色では単調になるので,トーンを違えた2〜3色で立体感を付けることになる。また,複葉機の場合,素材の種類が多いので,艶でそれらの質感を再現することは必至だ。時に強調してそれを行う。

これまでの経験上,実機同様に張線で各部を補強できることを知ってたので,今回も胴体もそのままのパーツで組み立てた。特にブーム部のはしご組みは強度に不安があるので,テンションの掛けて張線を張ってある。張線はいつものようにプラ棒を伸ばしたものを使い,コントロールラインや胴体や翼から外に出ている補強張線は安全の為にイージーラインを使っている。

イージーラインはゴムなので手を引っ掛けても簡単には切れないので,機体の外に張りでている部分には大変重宝するが,反面全くテンションが掛からないので,強度アップには全く貢献しない。このスケールでは支柱類だけでは機体を支えられないので,どうしても丈夫なリギングが必要となる。その部分を伸ばしプラ棒が受け持つ訳だ。熱し具合で切れやすくなる上,出来るだけ均等な太さでなるべく素材強度を落とさずに引き伸ばすのは意外と難しい。

また張線の多い機体の場合には張る順番をよく吟味して始めないと,後で大変な手間となるので注意が必要だ。

 ギャラリー1

 ギャラリー2

 ギャラリー3

 ギャラリー4

 ギャラリー5

 ギャラリー6

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