Sopwith 7F Snipe
● ソッピース・スナイプ  Sopwith 7F Snipe ●
実機について
1917年終わり頃,キャメルの後継機として開発された機体で,キャメルに搭載されていた130hpのクレルジェ9Bより遥かに強力な230hpのベントレーBR2を搭載していたが,最高速度はキャメルよりもわずかに10km/h程度速いだけで,設計時の予想とは大きく異るものとなった。

運用は1918年に入ってからで,速度こそは期待外れであったものの,高馬力ゆえの上昇能力や機動性がかなり向上しており,高高度性能も優れていた。また癖の強かったキャメルに比べ,操縦性は大きく向上し,上翼の中央部が開放されることで上方視界も確保された。ほぼ同じ時期に登場する∨8の液冷の「イスパノ・スイサ」エンジンを搭載した「F5ドルフィン(Dolphin)」では,中央部が開放された上翼は胴体寄りに取り付けられ,更に上方視界が向上している。

派生型として,地上攻撃用に装甲を強化した「TF2サラマンダー=Salamander(約500機製造)」や,ABC社の320hp(2号は360hpの-IAエンジン)の固定星形9気筒エンジンDragonfly-Iを搭載した「ドラゴン=Dragon(約200機の胴体が製造されたが,実際にエンジンが搭載されたのは2機の試作機のみ)」がある。前者は1918年4月に登場し,終戦後も暫く製造された。本題のスナイプは終戦後もロシア革命後の内戦でも使用されており,1926まで活躍した。


・全長:5.84m
・翼幅:9.47m
・空虚重量:590kg
・最大重量:955kg
・エンジン:ベントレーBR2 9気筒260hpロータリーエンジン
・武装:Vickers 7.7mm×2
・爆装:11kg(25lb)爆弾×4
・上昇限度:6,100m以上
・航続距離:3時間
・最高速:195km/h
・上昇率: 296 m/分、3,050mまで9分25秒
・生産数:約2100機



キットについて
ウイングナット・ウイングズ

このキットはロータリーエンジン搭載機であるが,エンジンシリンダーの先っぽがカウリングに干渉する。組付けが下手くそなのかとも思ったが,どうみても当たるようだ。出来るだけ内側を削ったが,なんとかキコキコと動貸せる程度で,指でピンッとは弾いたり,息を吹いても全く動かない。まぁ,俺のポリシーとしては,プロペラなどは角度が変更出来れば十分で(それさえ作者が決定して固定してしまえばいいというのが本音だが),息を吹いてくるくる回ったところで,模型の価値が上がるわけではないと常々思っているのだが,この大きなスケールで,全くプロペラの角度が変えられないのも何かと不便なので,上記の状態にまでなんとかした。

ウイングナットのキットはここでも何度も書いているし,巷でも同じ評価だが,その出来栄えは素晴らしい。が,しかし,確かに最初期のシリーズ,例えばアルバトロスやRAF SE5やAEG C6,もう少し後までは申し分なかったが,新しいシリーズになると,その品質に若干の変化が見られるようになった。これはあくまで私感・主観の類であるが。

例えば,いわゆる「ヒケ」が時折見られるようになった点。パーツのパーティングラインのズレ。空冷エンジンがカウリングに干渉する(これは組付けの下手さかもしれないが)点。「バリ」がわずかだが見られるパーツも出て来た点,であ。

これはあくまでも初期のキットと比較した印象であり,「酷いキット」になったという意味ではない。だが,「高額=高品位=作りやすさ」を売りにして始まったキットメーカーなので,その点は死守する必要があるだろう。特に100円という円安になった今,当初シリーズが発売されていた頃の80円と比較するとその「高嶺の花」感が増しているのだから。

品質低下の原因はよくわからないが,推測するに,ピーター・ジャクソンの新シリーズ三部作映画があまり評判がよくない(実際に観たがあまりパッとしなかった)ので赤字となり,ウイングナットへの開発資金も出なくなったのか。その結果,3Dデザイナー(元々1回採用の請負)の質を落としたり,インジェクション会社(元々中国)の質を落としたとか。きっとその辺りだろう。

インジェクションに関しては,中国のコスト高や仕事のルーズさもあるので,今後は金型も自社生産しているタミヤを利用することになるのかも知れない。今春のタミヤ工場視察がその一環と邪推しているのだが。そうなれば,インジェクションの質は元に戻るに違いない。「タミヤ=ウイングナット」ブランドになったりするかもな。勿論,CAD・CAMでの製造だし,今話題の3Dプリンターが本当の意味での実用化に至れば,コストダウンも叶うかもしれない。


制作について  (制作2013年処暑)
上にも書いたが,エンジンとカウルが干渉し,プロペラがうまく回らなくなった。なんとか角度を変えられるようには頑張ったが,組み立ての腕が悪いのか,キットの質が悪くなったのか。他社のキットではこの干渉はあって当然のようなものだが,ウイングナットの他のロータリーエンジン機ではここまで干渉するものはなかったように思う。

この機体は,上翼の中央部が開放されているので,コクピット内部が外からよく見える。機銃が乗っかっているコクピットとエンジンの間の部分もよく見える。更には,ドルフィンと同様に,戦争後期とあって,単座戦闘機でも操縦装置などが複雑化しており,パップなどとは一味違い,見応えがある。

キャメル同様にずんぐりむっくりの胴体に先端が楕円の矩形翼ということで,どちらかというとモッタリした印象だ。良く言えば実務的・実戦的とも言える。塗装は英国機に共通のパターンだが,例題機では胴体と翼で色が違うのが面白い。何機も複葉機を作っていると,「ちょっと違ったパターン」に走りがちになってしまうのは致し方ないだろうか。


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