● ゴータ G4 Gotha G-IV ●
実機について
1次大戦開戦の翌年,1917年になると,それまで主力であった爆撃機,ツェッペリン飛行船に代わって,ロンドン空襲などに使われるようになったのがこの3座の大型機ゴータGシリーズである。特に4型はロンドン空襲で成果を上げたが,やがて,英国軍の戦闘機の迎撃の為に,爆撃はもっぱら夜間に敢行されるようになった。

当時の軍用機は,小型機でもその構造の脆弱さゆえに,空中分解や着陸失敗など「自爆」による損失が多かったが,このサイズの機体では,そもそも敵襲がなくても無事に飛行し帰還することが簡単な仕事ではなかっただろう。当時は未舗装の草むらを整備した程度の「野原」のような滑走路であり,かつレーダーや十分な証明もない状態での夜間の出撃は,それ自体が死への入り口であっただろうことは容易に想像がつく。

元々難しいシミュレーターである「Rise of Flight」ではあるが,最近のバージョンアップで可能になった夜間戦闘シミュレーションでも,ゲームのナビゲーションシステム無しで,装備のコンパスだけではどこを飛んでいるのかさえすぐにわからなくなる程だ。これで月がない絶好の爆撃日和では,仮に目的地に上手く到達し,敵の目をかいくぐって爆撃ミッションを完遂したとしても,無事に自基地に帰還し着陸することなど運任せのようなところがあったに違いない。

同時期のドイツの爆撃機と言えば,これまた有名な4発7座のシュターケンR6(Zeppelin-Staaken R.VI)という巨人機があるが,そちらは更にこの機体のほぼ2倍の42mもの翼幅がある。ゴータと共にロンドン空襲に参加していたが,これはいい,あれとはいい,よくまともに飛んだものだ。

緒元等
翼長:23.7m
全長:12.29m
最大重量:3648kg
最高速度:135km/h
最大高度:5000m
火器:Parabellum LMG14 7.7mm×3, 600kg bombs
発動機:Daimler-Mercedes D.Va 260hp×2
生産数:232機 (1916年8月から1917年)


キットについて
ウイングナット・ウイングズ

ウイングナットのキットの制覇を目論んでいたのだが,流石にこの機体だけは諦めていたところ,引き取ってくれる方が見つかり,早速作ることにした。


制作について  (制作2012年小暑)
ゴータ爆撃機は欧州では非常にメジャーな機体で,ローデンからは1/72でI型から∨型までの全てがキット化されている。それらのキットは,新金型のようで,非常に細かい部分まで再現されているが,パーツ数が尋常ではない上に,細いパーツが多く,ランナーから外すだけで破損するパーツが1〜2個はある。何年か前に作り始めたが,パーツを外した状態で放置となっている。

今回のキットはウイングナットということもあって,特に不満も不安もなかった。翼を取り付けるまでは。機体が大きいとは言え,胴体長や太は通常の複座機と大差はなく,翼幅のみ巨大であるので,工作行程としては他の1/32モデルと変わらない。いや,ひとつ大きな違いがあった。爆弾である。どうせならフル装備で再現したいから,目一杯の爆弾を抱かせた。その組立と塗装が手間であった。エンジン2個というのも手間であるが。

流石に3Dモデリングはよくなされているが,それでも複雑な胴体下部の覗き穴の部分などは構造が複雑で,若干の現物合わせでの修正が必要となる。とは言え,酷い合いの悪さはなく,いつものウイングナット・レベルの完成度である。ただ,こういう構造だと,どこまでが「外部」で,どこからが「外部」か塗装に頭を痛める。結果は写真で確認してもらおう。

この機体はプッシャータイプの双発であるが,張線の取り回しの関係上,カウリングを脱着可能にすることが出来なかった。片側を閉じて,片側を開けることも考えたが,結局両方を開放状態で組み上げた。

胴体に蛇などの動物が描かれたマーキングもあり,魅力的ではあるのだが,今回は最も派手なマークの機体に仕上げた。描くという意味では,文字ばかりでちょっと面白くないのだが,派手さは一番だろう。スワスチカ後部の文字と数字は,大きさだけを考えると全くの楽勝なサイズなのだが,この「白フチ付き」の文字というのは結構難関なのである。前方の「モロータス」の文字も縁付きだが,どちらも半フリーハンドで描いた。

取り敢えずは,単純並迷彩ということで無事完成したが,写真が取れない。いつもの撮影場所に置けるのは置けるが,こういうサイズは想定していなかったので,画面のバックと左右がスクリーンからはみ出してしまう。スクリーンを追加すればなんとかなったが,面倒なので,周りが写り込まない範囲にアップして撮影した。

このサイズの実機をこのスケールのプラモデルにすると,戦艦大和や武蔵や空母信濃を1/200で作るのと同じで,間延びしてしまう。特に翼だけが大きいので,余計にその感じがある。が,その迫力は流石のもので,置き場所があるなら作ってみるのもいいだろう。

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