● ユンカース J.I Junkers ●
実機について
ユンカース社のJシリーズは,1915年に登場した全金属製の機体で,ユンカース社の1号機である「J.1(社内呼称)」に始まる。ただ,この試作機の軍制式名称は「E.I」で,今回の「J.1」とは別の機体だ。

1906年にはジュラルミンが発明され,その後1910年頃にはツェッペリン飛行船などに採用されていはいたが,試作機には鉄板が使われていた。すなわち「波トタン張り」の飛行機だった。よって当然ながら重量が当時の機体の1.5〜2倍以上にもなってしまい,試作機1機で終わった。

その後「J.4(社内呼称)」まで発展し,1916年後半に呼称が変更され,この機体の制式名称が「J.1」となった。1817年初頭に初飛行に至っている。


主な緒元
・全長:9.06m
・翼幅:16.00m
・空虚重量:1,766kg
・エンジン:ベンツ Bz.IV 200馬力 6気筒液冷エンジン
・武装:可動式(後方)7.92 mm パラベルム MG14 1門(前方固定式 7.92 mm LMG08/15 2門)
・最高速:155km/h
・航続距離間:310km
・実用上昇限度: 4,000m
・製造機数: 227機


キットについて
ウイングナット・ウイングズ

2009年に発売された第1シリーズのラインナップの一機。石坂のへいちゃんが,発売後すぐに購入して作ったらしい。他のキット同様に特に問題はない。ただ,上翼が非常に長く重いので,上下翼の接合が少々手間だ。ただ,支柱の位置や加工部の精度が高いので思ったよりも組み立て易いが,治具を作って接着剤が乾燥するまで固定する方がよい。

瞬間接着剤を使えば手で保持すれば間に合うかも知れないが,強度的には瞬間は使いたくない。また,通常は塗装後に接着することになるが,塗装後は瞬間の硬化が非常に遅くなるので,やはり通常の接着剤となる。

ベンツ Bz.IV エンジンに関しては,カム・プッシュ・ロッドがシリンダーとくっついた部品と,ロッドがないシリンダーとがある。説明書ではロッドなしは不要部品と記されているが,恐らくはロッドを自作する人用に付けてあるのだと思う。

このメーカーのキットの特徴に,組み立て図が結構省略されている点が挙げられる。一昔前の東欧系のキット(現在でも小さなメーカーは相変わらずだが)は全く適当な図で,支柱や各パーツの位置関係は実機図面や写真がないと不明なことが多いが,ウイングナットも「遠目」で記されている。しかしながら,パーツの合いは良く,また取り付け部はパーツをあわせてみるとピッタリ来るので,説明書で分かりにくい部分は,現物合わせで仮組みすれば問題はない。また,上下なども取り付け部の形を変えてあるので間違いにくくなっている点は親切だ。


制作について  (制作2010年大暑)
1918年,Flieger Abteilung(A), 識別番号:857/17

ベンツ Bz.IV エンジンは上記のプッシュ・ロッドなしのシリンダー部品を使い,ひと手間掛けてロッド12本をはめ込み,更にプラグコード,コードカバーを追加した。勿論,エキパイの穴開け,尾ソリのダンパーゴム部,カウリング・リブの肉抜き穴や補強ステー追加など,ちょっとした部分だが,結構,効果的な部分に手を加えている。

この機体のエンジン以外の見せ場である後部席回転機銃はキットのものをそのまま使ったが,出来ればエッチングの放熱板を使いたい。LVG C.VIの後部回転機銃と銃座も機銃も同じようなので,LVGを制作時にはエッチングを使ってみる予定だ。とは言え,シュパンダウの太い銃身とはことなり,細いパラベルムの場合には,ソリッドのプラスティック・パーツでもさほど気にはならないが。

カラーリングは,実用的な迷彩で,派手なイラストもない。どちらかというと第1次大戦機というよりは,第2次大戦機のイメージの機体だ。やはり複葉機はオール布張り・木製モノコック胴か鋼管胴に張り線だらけの方がピンと来る。そして胴体の派手なイラストとローゼンジーが最高である。

今回もメーター関係以外はデカールは使っていない。もったいない気もするが,キットなりに作り,付属のデカールを貼ったのでは,「作る」意味はない。よく「プラモデルのようにペタペタと貼り付けて行くだけ」という表現があるが,それでは模型を作る意味がない。

筆であれ,エアブラシであれ,マスキングであれフリーハンドであれ,やはり「塗り」作業は模型作りのクリエーティブな部分なので,マーキングは自分で塗りたいもんだ。難しい?そう,だからやる意味があり,楽しくあり,面白くもあるのだ。確かに面倒ではあるが。

飛行機のプラモデル,特に第2次大戦機と言えば,兎に角パネルラインに墨入れをしないと気が済まない人もいるようで,そういう人は続いて汚しを入れる。ハゲチョロ専門家もいる。ジオラマに展示する際には非常に魅力的だが,飛行機の場合,機能美を堪能するには,綺麗な機体の方がふさわしいと個人的には思っている。勿論,好き好きでいいのだが,そいうった考えで作っているので,ここの飛行機はほとんど全部がピカピカだ。

 ギャラリー1

 ギャラリー2

 ギャラリー3

 ギャラリー4
上のサムネールをクリックすると複数の大きな画像に飛ぶ。迷彩の紫の部分が,ライティングの関係でかなり青っぽく写っているが,実際にはもっと赤っぽい紫である。

 



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