Nieuport 11
● Nieuport 11 エデュアルド ●

実機について
1914年7月28日に第1次大戦の火蓋が切られた。開戦前から飛行機を軍用に使用したいた国はフランスだけで,機体はモランソルニエのタイプLであった。このL型は単葉のパラソル翼で,ロール軸のコントロールの為に捻り翼を採用していた。ちょうど開戦と時を同じくして,モランソルニエは中翼のN型を開発,実戦に投入された。

第1次大戦は塹壕戦であり,銃装備の歩兵と大砲(後には戦車も投入される)による戦争であった。砲撃の為に必要な敵の位置や方向を知ることは非常に重要な任務で,既に実用機として存在していた飛行船や気球がその任にあたった。味方の砲撃の着弾点を観測し,修正情報を砲撃手に信号弾等で知らせたのである。敵側からすれば,この偵察用の飛行船は,直接は攻撃してはこないものの非常に危険な存在であったのだ。そこで,航空機で飛行船や気球を撃墜する任務に使おうということになった。恐らく当時の飛行機の性能では飛行機同士の交戦,つまりドッグファイトなど思いもしなかったのではなかろうか。

飛行船の撃墜に最初に投入されたのはモランソルニエのタイプLとNだったと思う。L型は武装はしていなかった。よく聞く,石やレンガを投げつけたり,ピストルで撃ったというのは。恐らくは,このこの頃の話しだろう。時代が下ってもピストルのフォルスターを機体に取り付けていたパイロットも居るが。一方N型は,機銃を機首に搭載していたが,プロペラ同調機はまだなく,自弾避けの鉄のガードをプロペラに取り付けていた話しは有名だ。

1915年の夏になり,ようやくドイツ軍も航空機を投入する。機体はフォッカーのEシリーズだ。アインデッカー(単葉機)シリーズのタイプI〜IVである。これらの前身であるフォッカーA.IIIは,殆どモランソルニエHタイプと同じ形の中翼(片翼)機であり,翼も捻り翼となってたが,大きな違いはプロペラ同調機を持つ機銃を機首に搭載していたことだ。共に捻り翼という低性能なモランソルニエとフォッカーが仮にドッグファイトをした場合に結果を左右するのは攻撃力である。同調機銃の有無は差を考えれば,結果は火を見るより明らかである。

こうして,欧州の制空権はドイツに握られ「フォッカーの懲罰」と呼ばれる期間が暫く続いた。これを打開すべく開発・投入されたのがニューポール10型である。それを更に改良し,同じ80馬力のグノームエンジンを搭載したニューポール11スカウト(愛書"Bebe")がこの機体である。この機体は世界の航空機に画期的な影響を与えた。それは複葉化の定着となにより現在まで受け継がれている技術,つまりエルロンを装備するようになったことだ。

この模型を見て判るように,10型・11型が登場した当初はフランスは同調機銃を持っていなかったにも拘わらず,11型はその操縦性・運動性で,ようやく制空権をアインデッカーから取り戻したのである。その後,更に改良され,エンジンもパワーアップされ,同調機銃も備えた17型へと発展する。

基本性能と緒元
・翼  幅:7.52m
・全  長:5.5m
・空虚重量:320kg
・全備重量:480kg
・最高速度:162km/h
・上昇限度:-m
・航続距離:250km (2時間30分)
・上昇率 :2000mまで7分弱,3000mまで9分弱
・エンジン:Le Rhone 9C 80hp
・武  装:7.7mルイス機銃×1


キットについて
エデュアルド社のインジェクションキットである。先に制作した17型と同じ時期のキットで,エッチングが含まれない方のキットである。箱は新しいプリントだが,金型はどうなんだろうか。最初期の「簡易インジェクション」よりはシャープな抜けであるが,ディテールの再現度は簡素である。

1/48だが,機体の大きさは2次大戦期の単座戦闘機の1/72位しかない。ローデンやエデュアルドの1/48や1/72の複葉機はあまり肩を怒らせ細部にこだわり倒すことなく全体のフォルムを楽しむ作り方が良いようだ。特に投げ出したくなるような合いの悪さもなく1/48キットの質自体は充分な出来である。

ニューポールはカラフルな塗装の機体も多く,イタリア仕様などにも面白いものが見られる。今回は帆布の質感が楽しめるカラーリングとした。また,11型には,左右の翼間支柱にそれぞれ4本のミサイル(ロケット弾)を取り付けたものもあり,次回はそれを作ろうと思っている。


制作について (2012.6)
前回の17型と違い,この11型はスピナーもなく,カウリングも下半分がないタイプなので,エンジンはしっかり再現した。前回は110馬力のJタイプエンジンでであるにもかかわらず,今回の80馬力のCタイプを載せてしまったが,今回は正真正銘の80馬力タイプである。

ミスターカラーをいつも使っているのだが,何年か前に,白・青・黄などの色が染料から顔料に変更されてしまった。隠蔽力が上がったのはいいのだが,どうしてもポテっとなる。リネンの色も白をベースに4〜5色を自作して,グラデーション表現に使っているが,塗装が苦手な自分にとっては,この白ベースの塗料は関門のひとつだ。

17型に続き,この11型も制作の途中で投げたくなるほど凹んだが,完成後に改めて眺めるとなかなか良い。完成後の見てくれが悪いくせに,ウイングナットのキットの何倍も手が掛かるキットだが,今後も他のバージョンのニューポールを,このスケールのエデュアルドのキットを中心に作る予定でいる。


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