十一試特殊水上偵 ● 十一試特殊水上偵察(E11K1) ●  フルスクラッチ 1/144  

実機について
昭和9年,九式夜間偵察機として開発命令を受けた愛知と川西のうち愛知の期待が九六式水偵として制式採用されたが,その後継機として昭和11年に依頼命令を受け作られたのが当機体である。

昭和12年に川西がロールアウトした当機は,今回も制式採用されることなく,2機の試作のみの完成で終わった。引き込み式の翼端フローを初めとして当時としては斬新な機体ではあったが,その形状通り飛行・離着水性能は芳しくなく,整備性も悪かったようだ。

しかしその後,この2機は輸送機として改造され,九六式輸送機という名で仕官搭乗機や連絡・輸送機として長期間実践使用され続けたという。


緒元

全幅約16m 全長約12m 500馬力91式1型エンジン 固定ピッチ木製4翔プロペラ


制作と模型について
この機体の資料は極めて少なく,製作は緒元表と数枚の写真から行った。3座の機体で2座はオープンコクピットであったようだが,実際には覆いがされていたと思われる。また,7.7mm回転機銃が機種部座席前方に装備されるようになっていたようだが,これも実装されている写真はない。(制作2009年)

なかなか通好みのスタイルでビルダーにとっても楽しい機体だ。実践配備がなかったので夜偵らしい黒い塗装がなされることもなく,引渡し時の上面海軍暗緑色と下面明灰色にふちなしの日の丸,尾翼には戦隊マーク等はない。

 ギャラリー1
 ギャラリー2