中島AT-2
 ● 中島 AT-2 ●

実機について


AT2の初期型にはカウリングの外部にタペットカバーの突起がある



中島飛行機 AT2
1936年に,ダグラスDC-2をベースに明川清を主任設計技師として中島飛行機で開発された小型旅客機である。AT1も設計されたが,試作には至っていない。国産機とされてはいるが,翼はノースロップ2E,胴体含めた他の箇所はDC-2のデータを元に作られた半パクリ機体。上の実機写真にあるように,初期の機体はカウリングにタペットカバーを逃がす突起があるのが特徴。また,鉄人28号の眉間のように,コクピットの窓の上に飛び出た庇は他にはみられない特徴である。

満州に使用された初号機は国光号として満州航空で使われた。海軍では中島式双発輸送機,陸軍ではキ34-九七式輸送機として制式採用されたが,AT2という名称での全製造数は33機に留まった。その後,九七式としては,中島飛行機と立川飛行機で600機ほどが製造されている。最終的には第2次大戦の終戦まで運用された。


AT2の主な諸元
・翼幅:19.95m
・全長:15.3m
・全高: 3.9m
・空虚重量:3,500kg
・全備重量: 5,250kg
・最高速度:360km/h
・巡航速度:310km/h
・上昇限度:7,000m
・航続距離:1,200km
・エンジン:(試作機)寿2型改 空冷星型9気筒580馬力×2/(量産機)寿8型 空冷星型9気筒620馬力×2



キットについて
A&W 1/144
A&Wは,香港のレジンキットメーカーのアニグランドが製造し,その日本代理店であるウィリングが企画したキットのブランド名である。ウィリングは千葉の白井市の民家で営業している個人の会社だ。抜けに関しては標準的で,可もなく不可もなし。機種のライナップはマイナー機を中心に多彩である。細部は全く再現されていない。
胴体がムクのレジンの塊なので,改造はほぼ不可能である。窓はコクピット屋根部が一体でクリアパーツとなっている構造なので,窓部だけクリアパーツという構成ではない分,比較的作りやすい。


制作について  (2022.4)
パネルラインが深すぎるのでいくらかサンディングしたあと,コロコロで凹リベットをざっと打った。本体の改造は不可能なので,脚部だけ実機写真を参考にディティールアップした。また,塗装はメタリックなシルバーに仕上げた。客室窓はどうしようもないので,水色に塗って済ませた。


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