Arado Ar196

● アラド Arado Ar196 ●
実機について
第1次大戦の終戦から十数年経ち,艦載機の必要性からドイツでは複葉機の「ハインケルHe60」が水上偵察機として登場したが,その後継機として単葉で設計された機体がこの複座の「Ar196」である。

登場は1937年5月で,約540機が製造された。「Ar196」には2タイプがあり,双フロートの「A型」と単フロートの「B型」が試作された。この機体は量産されるに至った「Ar196A」である。主たる用途は,偵察・観測・哨戒であったが,爆雷や爆弾を搭載し,対潜水艦攻撃にも使用された。多くのカタパルト装備艦に配備された


・全長:11.0m
・翼幅:12.47m
・空虚重量:2,090kg
・最大重量:3,720kg
・エンジン:BMW 132K 空冷9気筒960hpエンジン
・武装:主翼 20mm×2,カウル側方 MG17 7.92mm×1,後方旋回式 MG15 7.92mm×1,50kg爆弾×2
・上昇限度:7,000m
・航続距離:約1000km
・最高速:309km/h
・生産数:541機


キットについて
ドイツレベル 1/32

ことの発端は,1/350のシャルンホルストであった。3機の艦載機がこのAr196Aで,制作にあたって資料をネットで探していたところ,偶然,このキットの存在を知った。ネット上には,作例の写真があって,これがまた上手い作りなのである。そこで,キットについて調べていると,「これまでのレベルとは一線を画する出来の新金型キット」という書き込みがあった。(ギャラリー1の上から3枚目の写真に1/350のアラドが一緒に写っている。)

子供の頃,レベルと言えば,1/72の複葉機キットやB24やB17などに代表されるように,子供心にはちょっと高級なプラモデルであった。しかし,今となってはその適当さには閉口する。まぁ,レベルの出来がひどいと言うよりは,昨今の他のメーカーの出来が良いと言うべきかも知れないが,早い話,前世紀の品質なのである。本当にこのキットは新金型なんだろうか...?

ディテールの追求は改造で賄うとしても,パーティングラインのひどい段差,パーツ差し込み穴のユルユルさ,一見シャープそうでだるいモールド,訳の分からない藁半紙の組立図。今時白黒印刷はないだろう。パーツナンバーは振られているが,ランナー毎にAとかBとかに分けられておらず,単に200近い通し番号が振られており,かつ,番号がバラバラ。パーツを探すのに一苦労だ。デカールはノリ剥がれが悪いが,伸びのある感じで貼りやすく,ソフターで押さえるとしっくりと来る。   

制作について  (制作2013年清明)
新金型の出来のよいキットという先入観をもって,届いたキットを開けてみた。「うん?なんかぼってりしてないかい?」 最初は,薄いライトブルーのプラの色のせいだと思った。袋を開けてよくよく眺めると,なんだか嫌な予感。取り敢えずパーツを切り出そうと組立図を見ると,「なんじゃこりゃぁ〜!」 シャルンホルストの組立図よりもわからんではないか。それに紙質があまりにも貧相orz

パーツを切り出し始めると,パーツの円柱部のパーティングラインのズレがひどい。円柱ではなくズラしたかまぼこ2つ合わせ状態。またヒケもかなりあり,久々にパリらしきパリも発見。この時点でディテールアップに時間を費やすことを辞める決断をした。ディテールアップは,元々優れたキットの出来を一段と磨くために行うものであり,貧相なキットを補う為のものではない,というのが持論。勿論,入れ込んでいる機体なら別途相談もありだが。

胴体内部は骨組みなども独立パーツで再現されているが,計器類などがやはり貧相。特に計器パネルは,竹を輪切りにしたようなメーターの枠があるだけで,メモリのモールドもなく,デカールもない。よって,水平儀やらなんやらを適当に描き込むはめになる。1/32というサイズだけあって,ちょっと離れてみると,それなりにらしく見えるように描けるサイズではある。

また,厚みが2mm位もあるモールドが施されたシートなど,やはり30年前の状況だ。仕方ないので削り落としてプア板で適当に作る。あまり気持ちが入っていないが,元のモールドよりはましだろう。不思議なのは,フロートには懇切丁寧でなかなか感じの良いリベットが再現されているが,主翼などには一切ない。パネル部のネジは幾つか掘られている。胴体の半分以上と動翼は布張りで,動翼のリブ表現はそこそこ。

また翼は,左右共に折り畳み状態と伸ばした状態が選べるようになっているが,今回はサンプル写真のイメージで片翼を伸ばし,片翼を畳んだ状態にした。カウリングも片側を開放にした。キャノピーも操縦席を開放。後方の搭乗員の機銃スペースには元々キャノピーは装備されていない。キャノピーと言えば,このキットで最大の鬼門であった。なんと,パーツが1面ずつに分かれている。左右と天板で3個の透明パーツを貼り付けてU字にする訳だ。その昔,射出技術が低い頃にはよくあった手法だ。またその接合部に余計なノリシロがあるは,合わせ目が枠の部分ならまだしも,ガラス面にあったりとお手上げ。サンプル写真でも全体は良いイメージで写っているのに,キャノピー部だけが違和感があったのだが,こういうことだったのだ。これで一機にやる気喪失。

よほど捨てようかと3度ほど思った。が,結構高いキットなので,なんとか仕上げることにしたが,キットの設計コンセプトに合わせ,制作も適当にした。これほどいい加減にプラモデルを作るのは久々だ,いや初めてかも知れにない。写真ではよくわからないが,惨めな完成機となった。これまで通り,二度とレベルのキットは買わない,作らない,だ。時間の無駄である。もっと作りたい良いキットが山積みなのだから。それにやはり2次大戦機は面白くない。今回は早く仕上げる為に,オールデカールとした。思った通り,白抜けがしているが,もう良いのだ。あれやこれやも,もういいのだ。これがこのキットの完成点なのだ。


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