複葉機キット一覧
複葉機キットのメーカーについて
Academy(アカデミー)
1/32のポリカルポフを作ったことがあるが,合いが悪いなどいうレベルではなくひどすぎたので箱に埋め戻してどこかに突っ込んだまま。その後,改善されているとの話だが興味はない。キャメルとニューポール17の1/32が出ているが,このメーカーの手持ちはない。
Aeroclub(エアロクラブ)
イギリスのバキュームキット時代からの古いメーカー。その後エッチングとホワイトを含むメタル簡易インジェクションキットを作っていた。最近の新作の話は聞かないが,まだ営業はしているようだ。ただし,ホームページによると,オーナー →営業担当者,が2010年3月に52歳の若さで急死したそうで,当分の間は営業休止するそうだ。自国のRAFやホーカー社の複葉機キットだけのようだが,スケールは1/72と1/48がある。RAF系の機体は今でも他社からは出ていないので貴重だが,現在では事実上入手困難。(訪問された方のご指摘で修正しました。有難う御座いました)
Airfix(エアフィックス)
誰でも知っている老舗のメーカーだ。キットの機種は両大戦を通して多い。また,特に品質が悪いわけではないのに,なぜか価格が安い。ただ,1次大戦機に関しては無難な機種しかキット化されていない。
Airmo(エアモ)
ポーランドのメーカー。レジンキットだが,表面モールドは大変よく,レジンの割りにはバリやホールが少ない。また十分なエッチング・パーツも付属しているので,なかなか好感が持てるキットだ。ただ,機種は少なく,今後の発展があるかどうかは不明。
Amodel(エー・モデル)
「Amodel」は,1/72スケールの2次大戦初期から現用機までロシア機が中心のメーカー。ポリカルポフ系が多種に渡り,ポリカルポフ好きにはたまらない。またそのほかにも珍しい機体も多く興味深いが,簡易インジェクションゆえのたい焼き状のバリの多さはいいにしても,パーツの合いの悪さには手を焼く。
途中で挫折し,完成を投げる人も少なくないようだが,それ故,完成時の達成感は格別。また作り手にもよるだろうが,出来上がりは悪くはない。3〜4機作ったが,確かに大変手が掛かるキットではあるが,個人的には好感を持っている。尤も同一スケールの同一機が他のメーカーから出ていれば,そちらを選んだ方がいい。
AZmodel(エイ・ゼット・モデル)(レガト)
チェコのメーカーで,これまではAZmodelをブランド名として製造・販売していたが,近年,「LEGATOKITS(レガト)」レーベルでもキットを出し始めた。1/72のスパッドシリーズにはエッチング・パーツも付いていて,モールドなども最近のエデュアルドと同じティスト出来で,恐らくは今年発売されたKarayaのインジェクションもここが製造している模様。
Azur(アズール)
(MPMを参照)。フランスの2次大戦時の複葉機と水上機専門のMPMブランド。フランス機のみなのが残念だが,魅力的な形状の機体ばかりなので,水上機好き,複葉機好きの私には嬉しいキットだ。キットはショートラン・モールド品で,モールド(樹脂型)は3年程の寿命らしい。その割にはよく出来ている。
Blue Max(ブルー・マックス)
かなり古いイギリスのガレージキットメーカー。現在はペガサスと合併しているようだ。1/48のモデルのみの生産で,機種はそれ程多くはないようだ。ホワイトメタル製エンジンなどを含むキットで現在のキットレベルではない。現在では殆どの機種が他のメーカーから高品位のキットが出ているし,どれも5000円前後と内容の割りに高価なので,このメーカーのキットを選択する意味はない。ホームページ上では2003年の新発売キット「ハルパーシュタッドD.II」が最終プロダクトとなっている。現在はミラージュからすぐれたキットが出ている。私が知る限りでは,「ソッピース・ドルフィン」以外は購入する意味がない(他社キットがある)。
Choroszy Modelbud(コロジー・モデルバッド)
ポーランドのメーカー。キットはすべてレジンだが,1次大戦から2次大戦機まで幅広く,国籍もさまざまで,よだれが垂れるような珍しい機体が多い。レジンのキットは特にモールドが細かい訳ではないが,気泡もなく生産者の飛行機への気持ちが伝わってくるような感じのいいキットだ。簡単なインストラクション・三面図・デカールが付属。これも「ホビーランド」に在庫がある。珍しい小型潜水艦(ミゼット・サブ)もあり,バーリンデンより格安である。
Condor(コンドル)
元々はウクライナメーカーだが,現在はチェコのMPMの1ブランド名(MPMを参照)。1機手持ちがあったと思うが,リスト漏れで写真がない。
Copper State models(カッパー・ステート・モデルズ)
今となっては珍しいが,老舗のアメリカのガレージ・キット・メーカー。エッチングパーツやレジンパーツ販売でも有名。ネットでの直販が主な販売ルートだったようだが,決済ページにはセキュリティがないので,銀行振込か電話でクレカ番号を知らせてくれとの注意書きになっていた。なんだかなぁ。ペイパルという方法もあろうが。そこで,アメリカのオークションで知り合い親しくなったアメリカ人のクレイグに相談すると,代理購入してくれるということになったので,数点をゲットすることが出来た。その後,まもなく(2010年頃)オーナーが廃業を決意,在庫キットや原型をひっくるめて売却したいとのことで,在庫の小売を中止してしまった。
ガレージ・メーカーらしく,大手メーカーのラインナップを外した渋い機体がある。レジンとメタルとエッチングのハイブリッドで,なかなか作るのは大変そうだが,実際にはまだ作っていないのでわからない。それでもレジンパーツの出来は良い。デカールとインストラクションも付属。後年,インジェクションが他社から出てたものもあるが,飛行艇など貴重なキットも少なくないが,如何せん在庫はあるのに新規販売しないというのは残念だ。とかなんとか言っている内に円安になってしまったので,仮に販売が開始されてもなかなか買えなくなったし。結構な値段のキットだからな。2014年春の時点では売却され,再開準備中のようだ。
Dragon(上海ドラゴン)
中国の新鋭メーカー。1/48で複葉機を作っていた。その種類は少ないが,当時ものの割にはキットの出来は悪くはなく,今でも人気がある。残念ながら現在は絶版で,国内流通量が少なかったせいか,たまにオークションで見かける程度だ。現在手持ちキットはない。
Eastern Express(イースタン・エクスプレス)
ロシアのメーカーで今も新製品を作っているようだが,一次大戦の複葉機に関しては,トコの金型を自社ブランドの新箱で再販している。2005年前後に日本にまとめて入って来ていたが,流通数が少なかったようで,すぐに市場から消えた。品質に関してはトコを参照。ローデンの新金型シリーズにない機種(写真のような)が貴重なメーカー。再販はないようなので,ヤフオクなどで地道に探すしか入手手段はない。
Eduald(エデュアルド)
言わずと知れたチェコの老舗メーカー。元々は,AFVや現用機用のエッチングパーツが本業らしいが,現在は多種のキットを製造・販売している。
初期の1/48キットは興味深い機体が多かったが,簡易インジェクションということで成型はダルかったし,プラキットというよりはエッチング組み立てキットというべき内容であった。それでもそれまでのレジン製のガレージキットより一歩進んだキットは,それらとは一線を画する存在であった。後期のキットでは,モールドが大幅に改善され,多用していた一部のエッチングパーツをプラのインジェクションパーツに置き換えた基本キットと,それに詳細なエッチングを加えたプロフィパックが並行して発売されるようになった。
後期キットの後のものを現行キットと称すると,現行キットでは,より細密なプラパーツ化が進み,エッチングは必要最小限の量に押さえられ,インストラクションもフルカラー化したり,デカールも質・量ともに充実したものになっているが,その分,価格がかなり高くなってしまった。また,同一機2機をパッケージした「デュアル・コンボ」も発売されており,塗装バリエーションの多い1次大戦機を複数を作って楽しむにはデュアル・コンボはお得。
プロフィパックが4〜5千円前後していたのに対し,廉価版の「ウイークエンド・エディション」が,2千円前後の手軽な価格で発売されるようになった。時系列的には最新のリリースになるが,その内容はエッチングパーツが省略されもので,エッチング工作が嫌いな人(そこまで凝らなくても良いという人),時間のない人,プラモデルや複葉機模型に初挑戦の人に取っ付き易いキットになっている。勿論,エッチング無しでも十分に体をなすキットの完成度となっている。
残念ながら今では初期キットの入手はほぼ困難となっているので,現行のキットの品質で再販してもらいたいものだ。また,1/72の複葉機も発売しているが,一部ではビニール袋にパッケージされた2〜3百円の廉価キットもある。
ウイングナット・ウイングスが登場してからは1/32では席を譲ったものの,1/48では,1次大戦機のキットに関してはローデンと並んで今でも世界一の品質とバリエーションを誇るメーカーと言える。初期のような珍しい機体の新金型での再販を含め,更なる機種バリエーションの広がりに期待する。
ELF(エルフ)
2004年にチェコで生まれた会社で,これまでに作られたことがない1次大戦機をモデル化するとメーカーはコメントしているように,これまでに写真のような試作機ばかりをインジェクション・キットを発売している。2014年3月時点で,「Bristol M1C」,「Roland D.I」,「Linke-Hofmann Li Ho R.II」,「Siemens Schuckert SSW R.I」が,またレジンキットで,「Kondor D.2」,「Lohoner 21.20」というような魅力的な機体の発売が予定されているか,実際にいつ発売になるかは不明だが期待したい。MPMのチェコ向けのブランド。
EMHAR(エーマー)
イギリスのインジェクションキットのメーカーでAFVが中心。複葉機キットは1/72の「Anatra Anasal DS」しか所有していないが,内容は二昔前のタミヤのキットのようで可もなく不可もなくという感じだ。また,一次大戦の英国製菱型戦車(MkA, MkV, MkIV)の手持ちもあるが,それらの品質は1970年当初のタミヤ程度で,価格は安いが,作る意欲を掻き立てられるキットではない。
Encore(アンコール)
古いメーカーで,ロシアの機体ばかりをリリースしていた。複葉機だが,2次大戦機である。
Flashback(フラッシュバック)
エッチングが付属したキットを発売していた古いブランドで,メーカーはエデュアルド。キットは数種種程しかないようだで,写真のものとタウベ以外は新しいものがどこから出たいたはず。車輪用のスポークエッチングも含まれている。
FLY(フライ)
「Artillery models」という会社のブランド。当社は中世の人物や帆船用の大砲などの小物キットを作っているようだ。2010年頃にリリースされた写真のローラントD6のa型とb型はコンパチになっているので,1個でどちらも作れる。特に可もなく不可もなしといった品質。インストが少々わかりにくく,デカールの種類も少な目。他にも数種の複葉機,現用戦闘機・旅客機,潜水艦などなど,統一感のないラインナップで複数のキットが発売されている。この会社も「MPM」と関連があるらしい。
Frog(フロッグ)
かなり古いソビエトのメーカーで,倒産後金型はNovo(ノボ)に引き継がれてブランド名が変わった。稀にヤフオクで見掛けることもある。
Gavia(ガビア)
2010年以降にキットを出してきたチェコのメーカーだが,エデュアルド系のブランドのようだ。隙間を狙ったなかなんか渋い機種を1/48で提供している。キットの出来は良い。
Glenco Models(グレンコ・モデルズ)
古いメーカーだ。
Heller(エレール)
ご存知エレールだが,複葉機といっても1次大戦機ではない。が,大好きならドランゴン・ラピードを出してくれているので,敬意を払ってここに載せてみた。航空機として最も私が魅力を感じる1930年前後の民間機のキットを出して欲しいものだ。
HIGH PLANES MODELS(ハイ・プレーンズ・モデルズ)
オーストラリアの簡易インジェクションキットで,現用機が中心。複葉機キットはインジェクションとレジンのハイブリッドで一応デカールとインストラクションも付いている。キットの出来に関してはどうこういうレベルではない。他から出ていない機種以外は購入の意味はないが,現在でも新キットを発売している。現用機に関しては内容は不明。
Hi-Tech(ハイ・テック)
エッチングが付属したかなりキットを作っていた古いメーカー。
Hitkit(ヒットキット)
古いポーランドのメーカーだが詳細不明。キット内容を見ると一昔前の「Amodel」のキットに似ており,同じメーカーのようだ。1/72の「LVG.C.V」が手元にあるのみだが,「Potez XXV」もみたことがある。写真の機体は他のインジェクション・キットがなので貴重。箱に「short run」という記載があるので,1回こっきりの簡易インジェクションらしい。大体この手のものはどこのメーカーも再販はないのが普通だが。内容は地味だが,エッチング・パーツも付いている。「Amodel」同様に手強そうなキットだ。
Hobby Kraft(ホビー・クラフト)
カナダのメーカだが生産は韓国。手持ちに1/32のキャメルがあるが,モールドは昔のレベルの1/28シリーズに似てえげつなく,恐らくは「アカデミー」と同じ工場での生産だろう。エンジンをパーツ取りに使って,後はゴミ。
HR model(エイチ・アール・モデル)
これも古いガレージキットメーカーだが,詳細不明。1次大戦時の珍しい機体のレジンキット数種を発売している。稀にオークションに出て来るが,当時の為替レートのせいか法外に高い。もっともそれ以外現在は殆ど入手困難。キットはよくあるガレージのレジンらしく,たい焼き状のバリが満載。パーツよりもバリの方が多そう。
ICM(アイ・シー・エム)
同じくウクライナのメーカー。キット自体は1990年代後半からあるようだが,当社ホームページによると2003年に会社形態が変わり,新生ICMになった模様。1次大戦機は恐らく旧キットだけのようだが,イリア・ムロメッツや単葉のフォッカー,ファルツE.IVなどがある。古いキットだけに作りにくいが,モールドなどは悪くない。
Karaya(カラヤ)
ポーランドのメーカー。珍しい機体を中心とした1/72と1/48のキットを発売してきているが,これまではずっとレジン・キットだった。ディテールの再現やモールドもなかなかいい。レジンは脆く,細いパーツは折れやすいのだが,キットによっては,翼間支柱に金属線を埋め込まれていたりする。また,インジェクションではどこにもない非常にレアな機体が多く,個人的に好きなメーカーだ。
為替のタイミングにもよるが,ここのキットもディストリビューターがかなりピンハネしているようで,日本での価格は1個1万円前後と法外である。商品は大阪のホビーランドでも扱われている。2010年前後から,ポーランドの小売店で易く入手出来ていたが,そのショップとカラヤとが払いや納品の問題でもめて,そのショップが,もう扱いを辞めると決めたそうで,困っている。他のショップも探せるだろうが,折角常連で割引率が大きくなったところなのにorz
2010年に入って,「ハルパーシュタッド CL.IV」を初のインジェクションキットとして発売しが,製造は,チェコのレガトが行っているようだ。今後はインジェクションに切り替えて行くのかも知れない。
KOPRO=KP(コプロ)
元々はチェコのメーカーで古くからあるが,現在はハンガリーのエクスペディエンス社に移っている。射出はAmodel系のインジェクション・キットメーカーだ。日本では全く人気のないロシアの複葉機キット専門。恐らくは1930年頃から2次大戦初期に掛けて使われていた機体だと思われる。
Legato plastic KITS(レガト・プラスティック・キット)
上記のAZmodelの1ブランド名。1/72の「ハンザ・ブランデンブルグ・B.I」シリーズにはエッチングは付属しないが,モールドはよい。
MAC DISTRIBUTION(マック・ディストリビューション)
チェコのメーカーで,民間・軍用の車両が精力的に開発されており,複葉機は1/72だけが発売されている。ファルツD.3,ローラントD.6,フォッカーD.7,スパッド,ブリストルなどが発売されている。キットのモールドは良好で,エッチング・パーツも付属。
Maquette(マケット)
戦車なども作っているロシアのメーカー。種類は多くはないが,オタクな機種があって楽しい。
Meikraft models(メイクラフト・モデルズ)
珍しいアメリカのガレージの簡易インジェクション・メーカーだ。このメーカーのクラブ員と直販でしか販売されなかった珍しい機体の簡易キットもあるようだが,その手のキットの現在入手は不可能だろう。手持ちは通常版らしい1/72の「BE-2C」のみ。「Amodel」のようなキットにデカールと「わら半紙」コピーのインストラクションが付いている。作り甲斐がありそうだ。「BE-2C」は現行モデルがないので貴重ではある。
Merlin Models(マーリン・モデルズ)
非常に古い文字通りのガレージキット。バキュームキットかフルスクラッチの方が楽かも知れない。簡易インジェクションの翼と胴体以外はメタルパーツや金属線が入っているだけのキットだ。デカールとインストラクションは付属するが,現在では商品にはならないほどの品質だ。それでも機体によっては貴重な存在である。
私の場合,複葉機の1/72程度なら資料さえあればスクラッチも苦にはならないので,珍しい欲しい機体のキットに出くわせば買っている。滅多に出会うことがないキットなので心配はいらないだろうが,タミヤやハセガワのキットしか作ったことのない人はくれぐれも手を出さないように。
Mirage HOBBY(ミラージュ・ホビー)
ポーランドのメーカー。「Halberstadt CL.II」の1/48のキットでは,インジェクションのパーツのシャープさやモールドの雰囲気はローデンに近く,エッチング・パーツも付属している。AFVや潜水艦のキットも多く出している。
MPM(エム・ピー・エム)
1990年にMPMとしてデビューした老舗。チェコのメーカーだが,メーカーと言うより複数のブランドのプロデュースをやっているようだ。傘下の航空機キットのブランドには,1次大戦機から2次大戦機にかけての珍しい機体,特にドイツ機が多い「Spesial Hobby」,1次大戦から2次大戦にかけてのフランス機(ほぼ水上機)専門の「Azur」,1次大戦機の珍しい機体の「ELF」,「Condor」がある。
キット内容に関しては不満の声もあるものの,個人的には全く問題ないと思う。珍しい機体もラインナップされていて,なかなか良い。
他にもAFVや船舶関係の「SPECIAL ARMOUR」,「SPECIAL NAVY」,「BEST CHOICE」,「HML」,「HPH」,「CMK 1/35」というブランドの商品もあるようだ。また販売形態を見ると,上記の「Planet models」も現在は「MPM」も傘下のようだ。今後とも活躍が期待できるメーカーである。
NOVO(ノボ)
ソビエトのかなり古いメーカーで,もう流通はしていない。Flog社の金型を受け継いだ後,5年程の活動後に消滅した。中古品として人気のない機体は,今でもオークションや中古模型店で見かけることはある。
OLIMP(オリンプ)
ウクライナのメーカだが,比較的最近登場したようだ。複葉機の種類は多くはない。
Pegasus(ペガサス)
ガレージキットメーカーとして1982年来存在しているイギリスの老舗。往年のガレージメーカーとして1/72スケールの多種のキットを生産してきた。基本的にワンロットのみ1000個強の生産なので,今では模型屋の店頭で見かけることは殆どないが,オークションなどでは機種によってはよく見かける。
現在は「Blue Max」と合併しているようで,まだ生き残っている様子。未だに細部はメタルパーツを採用している。今となっては珍しい機種もないし,キットの出来も一昔前のガレージキットのままなので選択する価値はあまりない。
Planet models(プラネット・モデルズ)
チェコのメーカー。2次大戦機と現用機が中心だが1次大戦機もある。どの時代の機体もかなりオタク(妙)なものが1/72と1/48スケールで揃っている。ただしレジンキットである。出来は悪くはない。ホームページ・トップの右上にエントリーリンクがある。このメーカーのキットも大阪のホビーランドで扱われている。
Revell(レベル)
なんといっても日本で一番古くからあり知名度が高いのがこのメーカー。40年前に登場した1/72の複葉機シリーズに当時の模型少年達は燃えた。確か1個100円だったと思う。町の模型屋では売っていなかったので,峠道を一山越えて,隣町の模型屋まで自転車で買いに行った。バスや列車だと,模型を買う予算がなくなるからだ。結局全てを作って並べた記憶があるが,張線などすることはないどころか,色を塗ることもなかった。キットを現在改めて見てみると,ディテールなどはやはり見劣りする。
2000年初めのプチバブルの頃にはヤフオクでも法外な値段で出品されていたが,いまは他の良いキットが出ていることもあり,落ち着いた価格になっているようだ。
また,同時代の1/28シリーズは出来が良く,今でも通用するという意見もあるが,それはどうかと思う。当時キャメルを購入,色を塗って,張線も張って作り上げた覚えがある。今更わざわざ手に入れて作ろうとは思わないが,当時としては確かにいいキットだった。
Roden(ローデン)
ウクライナのメーカー。TOKO というメーカーが前身のようだが,その金型は Eastern Express というレーベルでから再販されているようだ。ローデンは,3〜4年前に1/72の複葉機シリーズを一気に発売したが,これらは新金型だ。その後,1/48シリーズの複葉機が販売され,現在は1/32の複葉機も作っている。1/72は数百円から1000円前後の価格が魅力だが,大きいサイズはそれなりの値段がする。
このメーカーも3D-CADや新射出機器を使った高度なキット作りを行っており,そのディテールへのこだわりは並みではない。それゆえ繊細なパーツは壊れ易い。表面モールドも優れているが,部品の合いに問題がある場合があり,折角の表面モールドが台無しになってしまう点が最大の欠点だ。制作には技術が必要。
インストラクションも分かり難い部分がある。また,48スケールや1/72でもゴーダのような大型機の部品数がすこぶる多いのも特徴。タミヤやハセガワが部品点数を減らし,かつ細部に拘っている路線とは異なる。小形機の72や32スケールのキットは標準的な部品数と言えよう。
生き残っている複葉機メーカーに対して共通して言いたいことだが,かつてのガレージキット時代のように
もっとマイナーな機体を発売してもらいたいものだ。1次大戦機の場合,資料の検証が難しいというのがネックなのだろうが,頑張って欲しいものだ。同社は,AFVなどのキットも多くリリースしている。
Spesial Hobby(スペシャル・ホビー)
MPMを参照。
Techmod(テクモド)
イギリスのメーカーで,元々はAFVと航空機のデカールの専門メーカー。「Friedrichshafen FF-33E」という新しい1/48の複葉機のインジェクションキットが出ている。モールドはややダル目で,若干のバリと引けがみられるが悪くはない。他のキットは見掛けない。
TOKO(トコ)
ウクライナの古いメーカーで,その後,ロシアのイースタン・エクスプレスに金型が引き継がれたようだ。また箱のデザインはウクライナのローデンに受け継がれているので,分割して売却されたのかも知れない。ローデンの1/72シリーズは,トコやイースタン・エクスプレスにないモデルが選ばれているようだ。2010年ころにまとめて発売されたが,キットが出回っていた期間は非常に短く,既に店頭在庫も殆どなくなっていると思われる。稀にオークションに出てきたりすることはある。1/72のみで,悪いキットではないが,組み立てには少々の技術とかなりの根気が必要。出来れば実機の資料もあった方が良い。
Wingnut Wings(ウイングナット・ウイングズ)
2009年に立ち上げられたニュージーランドの新しいメーカー。映画「ロード・オブ・ザ・リング」の制作・監督であるピーター・ジャクソンがオーナーらしい。いまのところ複葉機のみだが,かなりリーズナブルな価格だ。ディストリビューター(代理店・問屋)は介さず,直販のみの営業。それを取り寄せた数軒の日本の模型店が,2〜3千円程度の利益を乗せた値段で販売している。
キットは1/32のみで,2010年6月時点で8キットが販売されている。キットの出来は良く,表面のモールドはシャープで,ヒケもほとんどない。また,パーツの合いはタミヤ・ハセガワ並みで問題ない。機体バリエーションに合わせ余分なパーツも多く入っているが,スケールの割には少なめのパーツで上手く構成されている。
デカールも良く出来ているが,もう少しバリエーションがあるといい。機種によっては後に別売りで販売されている。塗装スキームが4〜5種フルカラーで載っているインストラクションには資料の実機写真も多く,それ自体が価値のあるものだ。資料には,復元機のものも多く利用されている。また,部品の取り付け位置の指示が分かり難い部分もあるが,パーツの合わせ目が分かり易く工夫されているので,少し考えれば分かる。
リギング用の線材は入っていないので各自用意する必要がある。スケールが大きいので細部までよく出来ているが,それでも素組みだけでなく,手を入れる余地が残されている点が良い。素組みなら制作自体は東欧系の1/48や1/72キットよりも作り易いかも知れない。お国柄か,英国機が多くなりそうな予感もするが,マイナーなドイツ機なども出して欲しいものだ。今後のラインナップの充実が楽しみ。
ZVEZDA(ズベズダ)
ロシアのメーカーで古くからあるが,キットの中心となるのは1次大戦終戦後から2次大戦初期に使われていたロシアの機体だ。
この位が現在所有している複葉機キットのメーカーだが,はやりポーランドとチェコがその質・量ともに世界一のキットを誇る。注目すべきはニュージーランドの「ウイング・ナット・ウイングズ」社だが,キット内容だけに留まらず,インターネットを念頭に置いた販売方法には納得が行く。
これだけブロードバンドが広がり,国際デリバリーもリーズナブルな料金で,かつ数日から1週間程度で到着するとなると,代理店や問屋といった無駄な中間マージンを省く努力を各メーカーは行うべきだろう。
購入者があちこちの小売店の在庫を探し回る必要もなく,生産者にとっても消費者にとってもメリット以外の何もない直販は今後もっと増えていくであろう。特に,小ロットで勝負する模型市場にはこの上ない販売形態だと思う。
最後に,メーカー同士の関係については間違いもあると思うので,詳しい方は是非ともBBSからご教示下さい。
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