スマートの変遷
1994年にダイムラー・ベンツ(出資率51%)とスウォッチ(同49%)がMCC(マイクロ・コンパクト・カー)を設立した。翌年,コンセプトカーであるスウォッチ・カーが発表された。1997年にはシティ・コミューターをコンセプトに,衝撃的デザインの600ccの「スマート・シティ・クーペ」が欧州でデビューを果た。翌98年になるとダイムラー・ベンツとクライスラーとの合併により,ダイムラー・クライスラーがその後を引き継ぐことになった。

当時はまだ日本での正規輸入はなく,当初は個人による極少数の輸入のみであったが,同年98年には並行輸入車ディーラーがスマート・ジャパンを立ち上げ,が々的に輸入・販売を開始した。2000年になるとスウォッチが撤退,ダイムラー・クライスラーの完全子会社となる。99年頃にはヤナセでも扱いを始めているが,2000年からは正規代理店として販売を開始した。

2002年9月に社名が「MCC」から「smart」に変更される。2004には,三菱自動車が販売・整備を開始,同時に同じく600ccの4人乗り「スマート・フォーフォー」がデビューするも2006年には製造終了する。この時期に社名と区別する為に,車名を「フォーツー」に変更。

その後,スマートは数度のマイナーチェンジ,メジャーチェンジを重ねて行く。2007年にはNA1000ccの三菱エンジンを搭載した2代目フォーツーの販売が開始され,扱いのダイムラー・クライスラー・ジャパン はメルセデス・ベンツ・ジャパンと改称される。2010年になり,国内全てのメルセデス・ベンツ正規ディーラーでの扱いが始まるが,高級車のイメージを壊すスマートは歓迎されてないのが実情である。

2015年になると,3代目フォーツーが登場。翌16年には2代目となるフォーフォーが復活し,NA1000ccのみだったエンジンにターボ仕様も追加された。初代フォーフォーは一般的な乗用車の形状をしていたのに対し,2代目フォーフォーは,フォーツーのフォルムを踏襲している。

初代に関しては,ミッションは完全マニュアルのものとマニュアル・ATの併用のものがあるが,日本に後者のみ輸入されている。また欧州モデルにはディーゼル・エンジン仕様もあったが,これも日本には輸入されていない。フォーツーには,クーペ・カブリオ(ソフトトップのコンパチ)があり,また,同じく600ccのロードスターも初代の時期に発売されている。更にそれぞれにはメーカー公認チューンモデルのブラバスも存在する。