更新した内容6





2007.12.1(85,400km)

8年目突入間近,85000kmの大掛かりな(?)オーバーホール

一般の普通車に比べれば高めだが,軽に比べると常用回転域が半分ほどのスマートは,エンジン自体の寿命は長いのではないかと思える。特にベンツエンジンということでそういう期待が大きくなる。勝手な思い込み?タイミングベルトではなく昔ながらのチェーンをカムシャフト駆動に採用した辺りが俺のフィーリングにピッタリだ。高性能車とは何か?そう,途中で走れなくならないで家までちゃんと帰れること,だと俺は思っている。2台で2度もベルト切れに遭うと,そう思うのも理解してもらえるだろう。勿論共に保証期間内での話しだ。カムチェーンはベルトに比べ,ノイズが大きいが切れることは絶対にない。勿論,チェーン自体の伸びはあるし,テンショナーの減りはあるので,適当な時期には交換になるが。

しかし,今回のオーバーホールではカムチェーンはいじらなかったので関係ない(笑)。手を入れた箇所を個別に記載してみる。今回の整備もメルセデスでやってもらったが,折角交換した部品を撮影用に取り置きしてもらっておいたのに,カメラを忘れてしまい,仕方なく操作に不慣れな携帯カメラで撮ったが,シャメ用に解像度で撮ってしまったので,残念ながら画質が悪い。金額等は別ページにまとめておく。



@プラグ



上の写真にあるように真っ黒け。前回25000kmで交換したときにはサブ側は新品同様で,メインの方も狐色に綺麗に焼けていた。その頃からセルフの格安ガソリンを入れていたのが悪かったのかこの状態に。前回交換時と比べ距離こそ2倍走っているが,黒いっていうのが気になる。多分シリンダーヘッドもこんな様子なんだろうと思うと,今後はブランドガソリンに戻そうと思う。
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Aブレーキホース


前回のホームページ更新の時(2ヶ月前)に別の工場でフロントディスクとパッドを交換してもらったが,その時にどうすべきか考えた結果,そのままにしたブレーキホースを今回交換してもらった。損傷はなく,大きな劣化もみられなかったが,パッド交換時にフュールを継ぎ足しただけで交換していなかったので,フュール交換の目的が主でホースも換えてっていう感じだ。ゴム部品だし,高いものではないのでついでに交換した。


Bフュールフィルタ


先のプラグ同様に,廉価ガソリンの影響を考え,距離的なこともあって交換。これはもらって帰って解体してフィルターの汚れを見ることにした。思っていたより大きかった。オイルフィルターと同じ位の太さでちょっと長い感じだ。汚れの様子を知りたかったので切り開いてみた。踏んでも金槌で叩いても壊れない程のぶ厚いアルミのケースで,金ノコでは日が暮れそうなので,サンダーで一気に切った。火花で引火?はしなかった。多分元はオイルエレメントと同じような黄色だったのだろうか。かなり働いているようだ。2万km頃から入れ始めたセルフの「無印」ガソリンはやはり粗悪品だったのだろうか。激安な訳ではなかったけどなぁ。


Cフロントスタビライザー





今年の初め頃から,コトコトという音がし始めていた。以前に乗っていた車が,ラックアンドピニオン部のクリアランスの狂いから同じような音をあげていたが,そのときは明らかにハンドルへショックが伝わって来ていたが,今回はそれより「下」の足回り側だろうと思っていた。今回の整備に当たり,メルセデスで確認してもらったところ,フロントローアーアームにつながっているスタビライザーのユニバーサルジョイントに磨耗があるらしいという。この部分は他の情報でも結構痛むようだ。取り付けボルトが緩んだままで固着してガタが出る場合と,今回のようにジョイント部自体の磨耗によるガタと2通りあるようだ。この車もボルトは緩んではいなかったが,やはり固着がひどく,片側は外すのにかなり苦労したらしい。車体の裏側を見るとあちこち錆びてるもんなぁ。うちのは室内ではないが,下はアスファルト張りだし,屋根と3面壁もあるところに普段は置いているけど,雨の日にも走るからやはり錆からは逃れられないようだ。今時の中古を買う際は,走行距離よりも保管場所と経年変化による劣化をよく考慮した方が良さそうだ。そういう意味でも素性の知れたワンオーナー車が無難なのだろう。

この車は1万km位の時に不注意で縁石に乗り上げ,フロントの片側にダメージを受けている。その関係もあってジョイント部に負担が掛かっていたのかも知れない。このダメージは,ディスクパッドを交換してもらった工場で来週に修理することになっている。6〜7年直さずに放っておいた理由は,当時は現在お世話になっているメルセデスとの付き合いがなく,並行車歓迎という名古屋の怪しげな外車専門店に持ち込んで見積もりを取ったところ30万円位になると言われたせいだ。今回一般の工場でも部品が出るか頼んだところ大丈夫だと確認が取れたので頼むことにした。部品は2万以内,工賃は尋ねていないので不明だが,まともな町工場なので法外なことはないはずだ。追ってアップする。


Dエンジンマウント


今年の夏頃からガタツキが出てきていた。フロントと両サイドの3個のダンパーでマウントされているが,フロントのゴムと取り付けボルトの接触部分が既にちぎれていた。サイドの片側もゴムの部分にヒビが入りかけている。1個が完全に壊れたせいで,残りの部分への負担が大きくなったのだろう。写真の上の方の右側がフロント用。縦に置いてある左右の2個と下側の写真の2個は同一のものでサイド用。面白いことに左右で400円程値段が違う。本当は前回の車検の時に交換を頼んでいたのだが,まだ必要なしと判断されたのか何故なのか,交換されていなかった。


Eウォーターポンプ交換


時期としては早めの交換になる。外したものを見てみても,まだ中央のシャフト部分のゴムシールは大丈夫そうだった。この部品も前に乗っていた車では12万km程度でシールが破れてきた。スマートの修理は近くでは出来ないので,早目だとはわかっていたが,まとめてやってしまうことにした。安心料だ。


Fオイルパン

この部分は部品交換ではないので,写真はない。シンセティックオイルを入れると,液体パッキンを使っている車の場合はどうしてもオイルにじみが生じるものらしい。スマートの場合にも,年を追う毎ににじみが多くなって来ていた。「オイル漏れ」というほどではないが,結構にじみの量が増えて来ていたので今回シールのし直しをしてもらうが,工賃が結構高い。


Gクラッチのリセット

この部分も部品交換ではないので,写真はない。いわゆる「クラッチタイミングの再学習」というものだ。テスターにつないで簡単にすぐに出来るというのでそれもやってもらった。頼んだ時には「さほど変化はないですよ」とのことだったが,実際やってみると,かなり変化があった。この結果にはメカニックの人も意外そうだった。具体的には下のインプレッションに書く。



オーバーホールを終えての走行インプレッション

整備の人が受け渡しの際に「驚くほど締まった感じになりました。これほど変わるとは思わなかった。」との言葉の通り,持ち込むまでの車とは別物になっていた。まぁ,新車の時はこんなんだったんだなぁってね。今回の代車が普通車ではなく,まだ新しいが軽であったことも影響があるのかも知れない。屁タレ軽のフニャフニャ感に1週間慣れていたせいもきっとあるのだろうが,それを差し引いてもかなり劇的な違いだ。プラシーボなどという次元では全くない。


大きな違いを生んだのは,フロントスタビライザーの交換とエンジンマウントの交換の影響だ。メカニックの人が言う通り,「締まった」というか「どっしり」というか「落ち着きがあるのにクイックなレスポンス」という感じになった。右側の助手席に乗っていた奥様もこの違いは体感出来ると言っていた。彼女もこの車をよく運転するので,実際に自分で運転すれば更に感じるだろう。


受け取ってから高速を100kmほど走行したが,時速100km程度での安定感の向上は無風時と強風時との違いほどもある。本日は実際に結構横風が強かったが,時速100kmでは全くストレスなく走れた。また,時速130kmオーバーでもハンドルへの振動は激減,安定感はスマート独特の形状からくる挙動には当然支配されはするが,やはり以前と比較すると格段に落ち着きが増している。安定感が増したにも関わらず,逆に中速時のハンドリングのクイック感は向上している。操作に対してダイレクト感というかリニア感が強くなってキビキビと反応する。静粛性も高まり,風切り音とタイヤノイズが殆どになった。更に,発進時やフルATモードでの変速ショックが相当改善され大変スムースなつながりになっている。変速時のタイムラグも改善された。尤もタイムラグ関しては,クラッチつきのミッションなので劇的な改善ではないが,「修理前と比べると」ということなのだが。時々,「変速時に搭乗者の首が前後に揺れる車」などと評されるが,クラッチつきの車の変速ってそれが当たり前だ。通常のトルコンもで小型車ならフル加速の変速ショックはかなりなものだし,どうしてもいやならCVTにするといい。経験上,これに勝る滑らかさはないから。

一方で,このマニュアル感覚をもつオートマミッションを楽しみたいならスマートは逸品だ。フルコンピュータ制御にしては大変良く出来たコントローラブルで優れたミッションだと思う。「良いミッション・変速システムか?」と問われれば間違いなく「上出来」だ。では「好きか嫌いか?」と問われれば意見は分かれるだろう。俺?そこがスタイルの次に気に入っているので8年も乗っている訳だ。


燃料フィルターやプラグ交換での加速性などの変化は特に感じないが,エンジンマウントのガタがなくなった分,加速も滑らかになっているのは間違いない。登り坂での粘りが少し増したのはプラグの影響かも知れない。1本サブ側のコードが擦れてリークしていたのでテープで修理したとのことだったので,プラグコードも全部交換してもらっておけば良かったなぁと後で思った。これは簡単に出来るようだから別の機会でもいいか。


総括としては,乗り潰す積りでのオーバーホールなので高額になったが,それでもこれだけの「再生」振りを体感できると納得がいく。新車当時の「スマートを走らせる喜び」が蘇って来た。エンジンマウントは車の挙動に大きく影響を与える上に,走行距離だけでなく経年変化を受け易い部品なので,5年位経っている車は一度交換するといいのかも知れない。5年ほど前,スマートのユーザーサイトが沢山あった頃,車検ごとにマウントを交換するという人がいたが,状態こそ違え,その意味が今回よく理解出来た。後は,記録更新の為にあえて交換していないバッテリーかな。この冬の寒さを乗り越えられればまだ行けそうだが,現在は車はこれ1台しかないので,ある朝出掛けようと思ったらエンジンが掛からない,では困るから交換するかな。