1/48複葉機
● 複葉機 ●
現用機のラプター(ロッキードF22)は,翼幅 13.5m, 全長 19m,乾燥重量 18,000kg 速度 2,400km/h 上昇力 公表出来ないほど速い(6,000mまで20秒位?ちなみにミグ23は1分で2万mに至り実用上昇限界を超す) エンジン出力 250,000馬力?(156KN)という。
二次大戦時のゼロ戦22型は,翼幅 12m,全長 9m,乾燥重量 1,750kg 速度 530km 上昇力 7分30秒(6,000m)エンジン出力 940馬力
一次大戦時のフィッカー・アインデッカーという機体は,翼幅 8.9m,全長 7.2m,乾燥重量 360kg 速度 130km 上昇力 2000mまで20分(上昇限度3000m),航続時間約1h,エンジン出力 80馬力
言うまでもないことなので性能を数字で比較したことはなかったが,今回改めて上記のように列記してみると,一次大戦機の性能と現用機とでは何を比べているのかすらわからなくなる。ゼロ戦と比べても比較にはならない。
だが,ライト・フライヤーが人類史上初めて飛行機として空を飛んだのが1903年の暮れであったことを考えると,1910年代半ばの一次大戦機というのは極めて急速に進化した高性能な機体であった訳だ。わずか時速15km程度でこれまたわずか260m程を12馬力のエンジンでよたよた飛んだ後,たった10数年で人を殺すことが出来るほどにまで進化していたのだから。
さて。プラモデルの場合には元々飛ぶ訳ではないので,性能比較の必要はないが,大きさを比べてみることは,性能比較ほどナンセンスとは言えない。推力で飛ぶ現用機よりも揚力に頼って飛ぶ一次大戦機は胴体の割りに翼幅が長い。サイズ的には,形状にもよるが,二次大戦機の1/144が一次大戦機の1/72,二次大戦機の1/72が一次大戦機の1/48とまで言うとちょっと大げさかもしれないが,イメージ的にはそういった感じだ。
1/48の世界では,古くはマーリン・モデルやブルーマックス,エアロ・クラブといったガレキ・メーカーがある。もっと遡るとバキュームプレスの時代があるになるが,そこまでは手を出す予定はない。これらのメーカーの一部は今でも存続しているが,簡易インジェクションのものでも,準備されている(若しくは利用出来る)のは翼と胴体外皮,運が良ければ車輪とエンジン程度である。コクピット内部は期待するまでもなく,通常は翼間支柱も作り直すことになる。アメリカのカッパーステートモデルもちょっと珍しい機体をレジン+ホワイトメタル+エッチングというオーソドックスな構成で販売していたが,残念ながら2011年に入って販売を休止してしまった。
これらのガレキは,平らに言うと,フルスクラッチと大差ない手間が掛かるのだが,それでもベースキットがあるとないとでは随分と違うので有難いものではある。
一方,インジェクションでは,エデュアルド・ローデンが主流で,スペシャルホビーなども比較的出来が良い。機種としてはあまりマイナーなものはなく,そこそこの有名処がダブって販売されている。やはり種類を集めるのなら1/72のレジンキット,細部まで迫力を持って再現するなら1/32となるだろうか。ただ,複葉機は一般に翼幅が広いので,1/32を沢山飾るのは日本の家庭事情には厳しいものがあり,ディテールアップするなら1/72は小さい。そういう場合にはこの1/48が丁度よい,となるだろう。
一般に模型を長くやっていると,制作よりも収集になってしまうが,特に複葉機の場合,その確率が数十倍・数百倍も高いだろうと思う。特に,マーリンやペガサス,ブルーマックス,ICMやトコ,初期のエデュアルドなどは,今の国産モデルキットとは異なり,間違いなくある程度「腕」がないと完成を見ない。出来がどうこうというのはその後の話だ。兎に角,一応の形になって「完成」宣言することさえままならない。
ただ,こういうメーカーのキットはショートランのものが多く,特にインジェクションでは一度メーカー切れすると再販は難しいだろう。一方,ほぼ受注生産の近いレジンキットの場合には,数十個単位で作って頒布されるようで,比較的再販のサイクルが早いようだ。
以前,東欧のキットを海外店から購入した際に,注文品の一部がメーカー(同国内)でも在庫切れになっているので1週間待ってくれということだった。店がメーカーに依頼したあとすぐに再生産してくれたようだ。
複葉機に限らず海外のキットの場合には,見かけた時が買い時と言えるようだ。特に日本の店しか利用しない人は,為替による価格差にも注意する必要があるので,値段の折り合いがついたら即購入しておかないとその後数年間は手元に来ないことが少なくない。大袈裟に言うと,一期一会の世界だ。
1/48 Scale
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