Spad XIII

● Spad XIII (スパッド13) ●

実機について
フランスのスパッド社の傑作機。大戦初期の撃墜王ギンヌメールの提案を元に設計が始まり,S.VIIの試作機が完成したが,エースである彼のようには秀出た技術を伴わない一般のパイロットにも適した機体に改良したのがこの機体である。大戦初期の代表機であるニューポール社の機体から,主流はこのスパッド製の機体へと変更されていった。

1917年4月に登場し,約8500機が製造されており,終戦後もアメリカ陸軍では1920年まで現役で使用されていた。また日本にもス式一三型戦闘機として102機が輸入され,1921年には丙式一型戦闘機として制式採用されている。それ以前は甲式三型(ニューポール24)が採用されていた。



主な緒元
・全長:6.25m
・翼幅:8.25m
・空虚重量:566kg
・最大重量:856kg
・エンジン:Hispanno-Suiza 8Be 水冷V型8気筒 220hp
・武装:Vickers 7.7mm×2
・最高速:218km/h
・製造機数:1917年4月以降,8472機
・上昇限度:6550m





キットについて
バロムが2014年頃から数機をリリースしている。食玩ブームの頃,対象となる2次大戦機がネタ切れになると,2~3種の複葉機が食玩メーカーからリリースされたが,出来が悪く,流行らなかった。1/144は,海外のレジンキットでは見られるが,それ以外では初めてと言える。キットは2個一で,エッチングと4種のデカールが入っている。エッチングは厚みがあって非常に良い。デカールも極薄だが,白抜けなどがなく,密着性も良い。本体モールドは大したものではないが,合いも悪くはないが,修正は必要。特に支柱の位置は,キットには取り付け穴があるものの正確ではなく修正が必要な場合がある。


制作について
スケールの割にはコクピット内部も簡単に再現されていて,ちょっと見の雰囲気は十分である。支柱位置の調整は必要だが,投げ捨てたくなるほどの不具合はない。このスケールなのでディテールアップは元より考えてはいない。風貌は省略した。張線も省略しても良いのかも知れないが,1次大戦機最大の特徴なので,やはりあった方が良い。しかしながら,かなり面倒であることも間違いない。オーソドックスに伸ばしランナーを地味にトン付けする。塗装はベース色はエアブラシで,迷彩や塗り分け部は筆塗りで,デカールを張った後,強めのつや消しクリアをエアブラシで振り撒く。アメリカ軍機として仕上げてある。(制作:2016年9月)









プラモデルのトップへ戻る