Halberstadt D.II, 1916 Autumn, Oswald Boelcke ハルバーシュタットD.II,1916年秋,オズバルト・ベルケ

複座のHalberstadt(ハルバーシュタット)B.IIを小型化し,単座に改造した実験機がハルバーシュタットD.Iであった。1915年の終わりまでに,100馬力のメルセデスD.Iエンジンを搭載した2機のD.Iが作られ,それに改良を加えたD.IIの製造が直ちに始まり,1916年中に65機が製造され,前線に投入された。

エンジンはメルセデスD.IからハイパワーなD.II(120馬力)に換装された。またD.Iとは異なり,主翼にスタガー採用された。また,アルバトロスなど1次大戦機に多く採用された主翼後縁のワイヤー構造を堅牢な木製に変更するなどで強度を増す試みがなされている。その構造は,胴体近くの主翼後縁部が下側に湾曲していることで見て取れる。

D.IIは当時の他の一般的な運用方法通り,6機小隊で運用された。当時,KEK(Kampfeinsitzer Kommandos=戦闘部隊)が1916年中期に構成されたが,その頃,このハルバーシュタットD.IIを使用して,Oswald Boelckeによる戦闘機の8箇条の戦術(Dicta Boelcke)が指南されていったという。尤も,彼はこの時期にはFokker D.IIIに乗っていたといる記録も残されている。なお,ベルケのD.IIは全面ライトブルーに塗装されていたようだ。

ドイツのAviatikもこのD.IIをライセンス生産しており,当初はAviatik D.Iと称されたが,オーストリアのAviatik D.Iとの混同を避ける為に,後にHalberstadt D.II-Avと呼ばれるようになった。

水平・垂直尾翼とエレベーター・ラダーを見ると判るように,フォッカー・アインデッカーシリーズを踏襲しており,すぐにより優れた方式が一般化し,この機体は配備翌年の1917年には早くも退役に追い込まれた。


【主な諸元】
・全長 7.3m
・全幅 8.8m
・乾燥重量 519kg
・最大重量 728kg
・最高速度 150km/h
・最高高度 5,000m(運用高度4,000m)
・上昇率 1,000mまで3.5分,4,000mまで22.5分,5,000mまで38.5分
・エンジン Mercedes D.II 水冷直列6気筒120馬力
・武装 IMG08 Spandau×1


IMG_2985.JPG IMG_2986.JPG IMG_2987.JPG IMG_2988.JPG IMG_2989.JPG IMG_2990.JPG