Bristol Boxkite
 ● Bristol Boxkite ブリストル・ボックスカイト ●

【実機について】

1911 Bristol Boxkite 
ブリストル・ボックスカイト 


ファルマンIII



所謂,ファルマン型のプッシャー機で,ファルマンIIIの機体をブリストル社がパクリった機体だが,正式呼称は,ブリストル複葉機で,British and Colonial Aeroplane Company (後のBristol Aeroplane Company)が最初に製造した機体である。ファルマン機との違いは,接合部にアルミや鉄材を使用している点で,資力の差を見せつけている。当初,ファルマン側は,特許侵害で裁判を起こし掛けたが,ブリストル社は構造の差異を強調することで免れた。

1910年頃から第1次大戦の開戦までの期間に78機が製造され,主に英国軍で使用され,第1次大戦で活躍するパイロットの養成に使用された。これらには様々なエンジンが搭載された。例えば,グレゴアール(Gregoire),E.N.V.,グノーム(Gnome),Renaultなどのエンジンである。


E.N.V. 水冷40馬力V8エンジン



E.N.V.は,元々,London and Parisian Motor Companyという名称で,1908年に最初の航空機用エンジンを製造する。その社名の通り,第1次大戦までは,イギリスとフランスで製造され,1968年まで,エンジンパーツメーカーとして存続していた。ENVとは,当時フランス語で,V型エンジンを指す単語だったらしい。60馬力のA型と90馬力のB型は,重量が200kgほどと重かったが,D型は40馬力で70kg,F(A)型は88馬力で130kgと軽量だった。このボックスカイトに搭載されたのは,1909年から1911年まで製造された7.6LのF型であった。※いずれも出力は公称最大値。これらのエンジンは全て,90°の水冷V8であった。また,同社では,1909年から1910年に掛けて,小型の24馬力(30kg)ないし30馬力(60kg)の4気筒の水平対向エンジンも3種開発している。


【主な諸元】
乗員: 1~2
全長: 11.73m
翼幅: 上翼14.53m,下翼14.00m
空虚重量:408kg
全備重量:522kg
エンジン: Grégoire-Gypインライン水冷4気筒50馬力,E.N.V.Type A,F,Renault V8空冷60馬力, Gnome7 Omega 50馬力ロータリー, Gnome7 Gamma 70馬力ロータリーなど。2翅逆ピッチペラ
最高速度: 64km/h


【キットと制作】
1/48 LIFE-LIKE HOBBY KITS / ライフ・ライク・ホビー・キット
総論はマーチン・ハンダサイドのページを参照



このキットはライフ・ライク・ホビー製である。アブロ3葉機のキットと異なり,シュリンク未開封の品であり,アブロのような劣化はみられなかった。

このタイプの胴体を持つ機体は,制作が難しい。1/48ということで部材が細いので頼りないが,素材に粘りがあるので,危うい感じはしない。1/32ならヒートンを埋けて,テグス系の張線を張るところだが,今回は柔軟さを生かして,ゴム系の糸でトン付にした。翼は幅があるので,3分割されている。つなげると1/48でもかなり大きい。このシリーズのキットの取説には詳細な張線位置のデータがないので,自家調査となる。これがかなりの手間である。

また,キットでは,グノームエンジンが搭載の機体になっているが,プロペラとエンジンの位置関係がユニークだ。なお,プロペラは正ピッチになっていたので改造した。 今回の4機の中では,最も色合いが気に入っている。この機体も上から光を当てると翼の透光感が楽しめる。この機体も車輪をエッチングのスポークに変更している。




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