FE.2b-4
● Caudron G.IV コードロンG.4 ●
実機について







コードロン社とその機体の詳細は,拙著「飛行機の発展とその裏事情1」のP134に詳しいので参照頂きたい。


コードロン社での最初のG-I型(試作1機のみ)は,第1次大戦以前の1913年に始まり,1913年終わりにG-II型(10機製造)へと発展する。どれも同じタイプの構造で,このG-IIIで始めて大量生産されるようになった。第1次大戦初期の飛行機の運用は,気球で行われていた着弾観測に取って代わるものであった。その為、基本的に非武装であった。

戦況が膠着するに連れ,飛行機の性能も徐々に向上し,武装する必要が出てきた。G.3は非力であったので,武装も可能な双発のG.4が開発された。1915年冒頭に完成し,同年末にはフランス軍への配備が開始された。

戦後,日本へも数機が輸入され,1920年に戊式一型練習機として所沢陸軍航空学校に配備されている。1922年に丁式二型爆撃機(ファルマンF.60=1919年に完成)の運用が始まると,練習機としても使用されたことで,G.4は退役した。


主な緒元
・全長:7.3m
・翼幅:17.2m
・空虚重量:730kg
・最大重量:1,180kg
・エンジン:Le Rhône 9C 80hp(一部アンザニー10搭載)
・武装:可動式前方機銃×1,100kgまでの爆装
・最高速:125km/h
・製造機数:1914年以降,フランスで約1,358機製造,イギリスで12機,イタリアで51機
・上昇限度:4.000m
・航続距離:3.5h


キットについて
1/48 Caudron G.IV カッパー・ステート・モデルズ

前世紀から,アメリカでガレージキットメーカーとして,第1次大戦機の貴重なレジンキットを製造していたメーカーで,経営者が高齢化で,ブランドと在庫の全ての購入者を募集するとアナウンスがされた後,ラトビアの二人組が購入した。もう十数年,否,20年近く経つだろうか。彼らは,暫くの間は,その在庫の販売を続けていたが,その間に,新しい企画を進めていた。1/48のこの機体や,ソッピース・ドルフィンやホワイトワース,1/32のニューポール機やG.IIIを,インジェクションキットとして新たに発売している。現在は,第1次大戦時のAFVも販売中だ。

このG.IVのキットは,同社のG.IIIと全く性質が異なる。スケールの差であるとは思うが,G.IIIと比較すると,全体にボテッとした抜けのインジェクションで,如何にも1/48という感じではある。パーティングラインの突起が大きい。エッチングパーツが多用されている点は,前世紀のエデュアルドを彷彿させる。特に,張線取付部(ターンバックル含む)が全てエッチングだ。
また,1/32のG.IIIもそうであったが,色指定が殆どされていない。外装の塗装は,単純故に難しい。デカールはカルトグラフだ。カルトグラフのデカールは非常に扱いやすい。1/32のG.IIIと同様,翼表面の形状がラウンデルの塗装には向かないので,デカールを使った。

以前,超絶仕上げのこのキットを見せてもらったことがある。そのビルダーは,ターンバックルを旋盤で引いて作ったそうで,完成には1年を要したそうだ。その時間を掛けただけの仕上がりであり,実際このキットに向かってみると,彼のターンバックルの自作は,必須だったのかも知れない。
非常に複雑な張線は,かなり面倒で,説明図が判りにくいので,第1次大戦機模型の未経験者は,手を出さない方がよいと思われる。私は,2度と作らないキットのリストに追加したw

制作について  (制作2022年10月)
張線以外は,1/48ならこんなものかもしれない。他のコメントは上記参照。


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