Dupeldussin
 ● Dupeldussin model 1911 デュペルデュサン 1911年型 ●

実機について

Dupeldussin Type A?




フランスの実業家デュペルデュサンが,1909年に設立した航空機製造会社の機体である。機体の設計は,ルイ・ビシュロゥ(Louis Béchereau)が行っている。最初の機体は<1910年型>と呼ばれ,試作の初号機にはクレルジェの水冷直列4気筒が搭載されていたが,すぐにアンザニーの3気筒空冷固定式逆Y型の35馬力前後のエンジンに換装されている。その後,<1911年型>もしくは<A型>と<B型>と呼ばれる機体が登場するが,同じ型でも,外観上の違いが色々あるようで,区別が難しい。B型は,垂直尾翼下の胴体が一部抜かれているのが特徴のようだが,全てのB型がそうであったかは判らない。後継機として,D型・T型やTT型などもある。

一方,今回の模型は,1911年型と表記されているが,実際には1910年から1911年に掛けて製造された機体で,細部が異なる多くの派生型が存在する。基本的にエンジンは,50馬力のグノーム7オメガ空冷ロータリーが搭載されていた。これらの機体は商業的に成功し,1912年には,これまでの木製の骨組みに布張りの胴体と異なり,薄い合板のモノコック構造の胴体を史上初めて採用したレーサーを開発している。

デュペルデュサンにまつわる話は,拙著「飛行機の発展とその裏事情 序巻」のP35を参照いただきたい。



A型の主な緒元
・全長:9m
・翼幅:9m
・空虚重量:350kg
・最高速度:100km/h
・エンジン:Gnome 7 Omega 空冷7気筒ロータリー50馬力


キットについて
リンドバーグ Lindberg 1/48
2014年にリンドバーグ社によってリリースされたキットで,なぜかジグソーパズルがおまけで付いている。このキットの金型は,元々は,インパクト・キット社(Inpact)が1966年に作ったもので,その後,パイロ(Pyro:1970),ライフ・ライク(Life-Like Hobby Kit:1972)を経て,現在,リンドバーグが,再々再販されている。
翼と胴体の表面は,布目を意識したラフなスクラッチ後がモールドされている。バリは少ないが,ヒケがやや見られる。パーツ数は少なく,合いはさほど悪くはない。元々,計器類は殆どない機体だが,細部のパーツは付属しない。黎明期の民間機なので,マークなどのデカールも一切付属しない。


制作について  (2022.6)

キットは1911年型の機体となっているが,はっきりと決まった仕様の機体ではなく,派生型も多いので,1910年型・A型・B型の機体の特徴を交えて制作することにした。ただし,1910年型の中心となる機体にはアンザニーエンジンが搭載されていたので,それとモノコック・レーサーの特徴は除く。
実機はあっさりとしている。模型的な見どころは,エンジンと脚周りと張線に絞られる。また,外皮の塗装次第で,感じが変わるので,そこもポイントだろう。

キットに付属するエンジンもさほど悪いものではないが,その道改造が必要なので,今回は,スモールスタッフのレジンキットを使用した。このメーカーは最新の技術で作られたキットで,組み立てが難しいほど,細部の再現度が高く,パーツの小ささには驚かされる。よくあのサイズで量産出来るものだと感心する。トーラスとスモールスタッフのエンジンは秀逸でお気に入りでもあるが,1/48水冷エンジンがラインナップにないのが残念である。

表面の雑とも言える布地のモールドは,処々に僅かに残る程度にサンディングして落とした。また,上にも書いているように,この機体は派生型が多く,キットにはカウリングが付属しない。A型にはカウリングがない機体も多く見られるが,今回は自作して取り付けた。また,車輪はエッチングのスポークを組み込んだ。また,タンクのガソリンゲージらしきモールドを削り透明ランナーて作ったゲージに交換し,最初期の7オメガエンジンにはスロットルはないので,パルサメーターもなかったかもしれないが,パルサメーターも透明ランナーで自作して付けてみた。ちなみに,復元機の中には,パルサメーターがあるものもある。また,タンク後部にメータらしきものがあるが,燃料ゲージは別にあるので,何のメーターかは判らないが,自作メーターのデカールを貼っておいた。

キットには,まぁまぁ出来の良いおにんぎょさんも付属する。通常の飛行機模型にはパイロットは乗せないのだが,今回は大きさの比較や,当時の様子が判るように乗せた。座った状態で脱着が出来る。張線は,捩じり翼独特の複雑なものであるが,捩じり翼やエレベーターの操縦索の取り回しが少し変わっていて新鮮である。

塗装は,翼は,ブリーチド・リネンにし,抜け感を再現した。写真では判りにくいが,実物では翼のスパーやリブ,胴体部の胴枠や補強線の影がちょうど良い塩梅で透けるように塗装出来た。
とある博物館で,この機体の復元再生機が最近作られたようで,そのピカピカに仕上げられてた写真を発見したが,インプレッシブで気に入ったので,胴体下部や脚などの木部は,それに感化されニス感を出してピカピカに仕上げた。
キットを見た時,構造が単純な上,地味なので,模型としてどうなのかと思ったが,意外と存在感のある仕上がりとなったが,スモールスタッフのエンジンの貢献するところが少なくないだろう。


Gallery 1

Gallery 2

Gallery 3

Gallery 4

Gallery 5

Gallery6 骨組みの透け感が判りやすい写真/メインスパーとリブキャップのないリブと同枠部

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