Fokker D.VIIF
● フォッカー D.7 F Fokker D.VII F ●

実機について



1918年には,最前線の主力戦闘機であったアルバトロスD.Vや,それより古いD.III,更にはファルツD.IIIaや少数のフォッカーDr.Iが,フランス軍のスパッド13やイギリス軍のソッピース・キャメルと交戦していたが,既にそれらは旧式化しており,フォッカー社が,1918年1月には初飛行に成功したV11試作機は,その飛行性能が高く評価され,尾翼部などのマイナーチェンジ後,量産に入った。D.VIIは,ヨハネネシュタールの本社や,OWA社,アルバトロス社などで,登場が遅かった割には3,900機近くという多数が製造された。多くには,ダイムラー・メルセデスの水冷直6のD.IIIa/D.IIIaü (180/200馬力)エンジンが搭載されていたが,230馬力のBMW製水冷直6エンジンIIIaが搭載されたD.VII Fも製造されている。これらの製造メーカーによって,カウリング部のデザインがそれぞれ異なっている。 本モデルは,このBMWエンジンを搭載したD.VII Fである。

第2次大戦時のドイツ空軍と言えば,どの写真にも悪人面に写るという,かの有名なヘルマン・ゲーリング(Hermann Göring)の存在がある。その彼の第1次大戦中の愛機と言えば,真っ白な機体の5125/18のD.VII Fが有名であるが,こちら機体は,Jasta26用にフォッカー社で製造された機番7716/18の機体で,戦隊マークである白黒縞々に胴体が塗装されている。また,翼の下翼の下面と上翼が上面が,JG.IIIの指揮官として活躍したブルーノ・レルツァー(Bruno Loerzer)のパーソナルマークである白黒のストライプに塗られていることから,ブルーノの為に製造されたと考えられているが,実際にブルーノが実践で使用したかどうかは不明とされている。

一方で,戦後間もない1920年に,ゲーリングがこの機体で飛行している(した後)写真が残されており,それ故,彼の機体として紹介されることが多い。敗戦後ということで,2丁のシュパンダウ前方機銃は降ろされ,また,ドイツの国籍マークも消されているという珍しい状態の機体である。

ゲーリングの名を知らない人は居ないとは思うが,第1次大戦時のエースとしては少ないものの,22スコアを記録している。あまりにも有名な軍人なのでここでは詳しくは触れないが,第1次大戦で活躍した後,ナチに入党すると頭角を現し,ナチ政権を支える為に大いに活躍したが,ヒトラーとは確執があったと言われている。第2次大戦の敗戦後,53歳の時にニュールンベルグ裁判で戦犯として有罪になり,直後に服毒自殺している。

ゲーリングとブルーノは第1次大戦時の歩兵部隊時代から親しく,先に飛行隊に所属したブルーノに刺激されてゲーリングも航空隊に入隊している。ちなみに,ブルーノのスコアは,トップエースのマンフレート・フォン・リヒトホーフェンの半分強の44機ではあるものの,ベルトホルトと並び歴代7位である。ブルーノは,1960年に69歳で死去している。



主な緒元
・全長:6.95m
・翼幅:8.7m
・エンジン:BMW IIIa 230馬力 水冷直列6気筒
・武装:Spandau LMG08/15 7.92mm機関銃 2門
・最高速度:200km/h
・最大離陸重量:900kg
・製造機数:1,225機



キットについて
エデュアルド Eduard 1/48
2000年以降に発売されたキットで,組み立てずはカラー化されてはいるものの,相変わらず指示が判りにくい。キットには出来の良いエッチングが付属しているが,この時代のエデュアルドは,既に簡易インジェクションの域を越えているので,外部モールドは,わざわざエッチングに置き換える必要はないと言える。支柱の長さなど一部の調整が必要でるが,ほぼ合いは良い。ただ,支柱のような棒状のパーツは細いので,基本的に補強が必要と思われる。


制作について  (2019.10)
キットには説明はないが,D.VIIとD.VII F用の胴体とカウリングパーツが含まれていたので,この機体を制作することにした。結論として,この塗装パターンは作るのに苦労した。とりわけデカールは対応していないのでデカールを自作するか手描きするしかない。

先述のように,支柱と動翼,突起物の殆どには補強の為に金属線を埋め込み補強した。0.3mmでは金属線自体が弱いので,0.4mmを使っているが,0.3mmのドリルでやや首を振らせながら開けると0.4mmがビシッと入が,1/48にはギリギリである。細い材に補強製を埋め込むのはいつも苦労する。胴体支柱も若干長さが合わないので修正した。近年のエデュアルド製でも,説明書は判りにくく,組み立て易さも十分とは言えない。張線は少ないが,EZラインを併用している。

パーツとして追加したのはキャノピーのみであるが,やはり機銃がコクピット前方に機銃がない戦闘機は物足りない気がする。

ローゼンジーは,付属のデカールを使うつもりであったが,気づいたら塗装していた。この機体は国籍マークがないので楽そうだが,胴体の縦縞の塗り分けは容易ではなかった。プロペラのメーカーロゴは付属のデカールを使用した。メーターパネルは付属のエッチングを使用している。機番と仕様ステンシルはなんとか付属デカールを使いたかったが,白黒ストライプのせいでどうしても無理で,現在デカールを作れる状態でないので,仕方なく手描きとした。省略することも考えたが,塗装が単一のため,アクセントとして有ったほうが良いという判断である。

Gallery 1

Gallery 2

Gallery 3

Gallery 4

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1/32のフォッカーD.VIIの3作はこちら
Fokker D.VII OAW "OttO"
Fokker D.VII "Sieben Schbaben"
Fokker D.VII OAW "Dragon"

1/144のフォッカーD.VIIはこちら
Jasta別のフォッカーD.VIIの一覧"



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