Roland D.VIb
● ローラント D.6b Roland D.VIb ●

実機について
LFG 「Luft Fahrzeug Gesellschaft(航空機製造会社)」製の機体で、フランスのニューポール社の技師であったフランツ・シュナイダー(Franz Schneider)がLFGに入社後に設計にあたった。D.6には「a型」と「b型」とがあり、外観上は水平尾翼(エレベーター)の形状がことなるだけで大きな違いはなく、共にビア樽のような甲板張りの胴体が特徴だ。全部で350機ほどが製造された。

モデルととなった機体は1918年、Jasta59に所属していた「b型」であるが、製造番号や搭乗者は不明。またチョコレート色の塗装部分は赤である可能性もあるようだ。


主な緒元
・全長:6.40m
・翼幅:9.40m (lower: 8.68m)
・空虚重量:656kg (loaded: 856kg)
・エンジン:メルセデス Bz.IIIa 150馬力
・武装:Spandau LMG08/15 2門
・最高速:200km/h
・上昇限界:5,000m


キットについて
フライ FLY 1/48

この機体の1/48のキットは,古いところではシエラスケールモデルがあるが,ブルーマックスからも発売されている。一番まともそうな(新しい)のが,今回のフライのキットだ。まともとは言え,パーツの合い具合などはいいとは言いがたく,バリや段差なども少なくない。特にエンジンマウントやコクピットなど機体内部のパーツの取り付け位置は東欧独特の「てきとー」の世界だ。ただ,張線の位置などはおおよそマーキングがあり好感が持てる。

エンジン本体はレジンでモールドはいいほうで,それをベースにディテールアップするとかなりいいものが出来る。また,エッチングも付属しているので,シートベルトや機銃などのディテールアップには有難い。また,デカールはローゼンジーも付属しているが,マーキング(デザイン)のデータがないので別途資料が必要となる。全体的には悪いキットではない。国内では初回の入荷分はほぼ売り切れてしまっているようだ。



制作について  (2010.10)
1918年,Jasta 59 所属, 搭乗者:不明, 識別番号:不明

プラパーツは多くはないが,バリやプレスずれが多いので,形成に時間が掛かる。材質は柔らかめなので加工自体は楽だが,強度的に問題がある。下翼と胴体の付け根は1mmの真鍮パイプを使用,また,各支柱や尾翼関係の取り付け部にもすべて真鍮線を埋め込み補強した。

今回は上部カウリングが付いているので,完成後はエンジンが殆ど見えなくなるが,32スケールのベンツ・エンジンと同等のディテールアップを施した。リンケージやリギングのターンバックル部は,強度面を優先した結果,ややオーバースケールになったが,さほど違和感はない。尾ソリのダンパーゴムはモールドされているが,主脚のほうにはモールドがなく,銅線で追加した。

今回のローゼンジーは4色になっている。胴体のチョコレート色の部分は上にも書いたように赤であった可能性もある。1次大戦機に共通の問題だが,カラー写真のない当時なので,色の特定はかなり難しい。逆に,その曖昧さを模型作りの楽しみとして,不自然でない範囲で作者が選択することが出来ていいのかも知れない。

掲載の写真のうちの一枚に,コンパウンドが付いた状態のものがあった。いち早く写真を撮ろうという気があるせいで,こういうことは少なくない。勿論,完成時に一通り確認しているのだが。

Gallery 1

Gallery 2

Gallery 2

Gallery 4
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