Albatros DR.I
● アルバトロス Dr.1 Albatros Dr.I ●

実機について


1917年,ドイツのアルバトロス社で製造された3葉機。開戦以前の黎明期より多葉機は沢山試みられたが,第1次世界大戦が勃発してからも,1917頃になると,当時の業界の流行のごとく各国・各社で沢山の3葉機が試みられた。しかしその中で,量産に至り,実戦に投入された機体は,イギリス軍のソッピース社の3葉機と,それに触発されて製造されたという日本でも有名なフォッカー社の3葉機だけであった。

このDr.Iは,社内呼称がL36にあたる試作機で, 当時のドイツの主力戦闘機であったアルバトロスD.Vをベースに開発された。翼幅を広げ,翼弦を狭め,上翼と下翼の間隔を広めて,胴体中央部に翼を追加した。下翼も上翼同様に胴体から離れて取り付けられている。また,D.Vとは異なるラジエターを採用したことで,十分な冷却の為に左右翼にそれぞれ1枚,計2枚のラジエターを備えていたが,中翼に搭載されている点が興味深い。また,あまりにも細い翼の強度不足とテールヘビーな機体は,開発の足かせとなった。同一の機体を改修しながら実験は続いたようだ。アルバトロス社では,このDr.Iと,D.XをベースにしたDr.II(社内呼称L39)とが製造されたが,後者も実用には至らなかった。 形状的には,模型映えする機体ではあるが,1機しか製造されなかった失敗作ということで,写真もデーターも多くは残っていない。



主な緒元
・全長:7.3m
・翼幅:8.7m
・エンジン:Mercedes D.III 160馬力 水冷直列6気筒
・武装:Spandau IMG08 7.7mm機関銃 2門


キットについて
エデュアルド Eduard 1/48
1990年代末の簡易インジェクション・キットで,現在は廃版となっており,キット自体の入手も容易とは言えない。キット内容は,自社のエッチングが付いているが,プラモールドも,それほど悪くはない。修正不要とはいかないが,時代と簡易という割にパーツの合いは悪くはない。



制作について  (2019.10)
1917年,試作機
メルセデスD.IIIエンジンが付属するが,カウリングのせいで殆ど見えなくなるので,いつものようなエンジン自体のディテールアップは行わなかったが,マウント内部がスカスカだったので,タンクなどを自作して追加した。コクピット内部の操縦索や配線等も,除き見える範囲で追加した。プロペラは角度が変えられるが,隙間を一定にする為に,キツめにした。ちなみに,D.Vにはある小さな風防は,この機体には取り付けられていない。
支柱の殆どには補強の為に金属線を埋め込み,概ね狂いなく3枚の主翼を取り付けられたが,そこそこ苦戦した。胴体支柱は長さが短かったので作り直した。簡易インジェクションキットにはよくある問題だ。主輪のダンパーゴムも追加し再現した。張線関係は,黒テグスとEZラインを併用している。
塗装関係は,久々のローゼンジーで,比較的色合いのよいデカールが付いていたが,言うまでもなく塗り仕上げとした。久々な作業の割に,大きな版ズレもなく,綺麗に仕上がった。国籍マークや木目も塗りであるが,プロペラのメーカーロゴと垂直尾翼の極小さなロゴは付属のデカールを使用した。コクピット内のメーターパネルは自作のデカールを使用した。 一見,ローゼンジーを塗るのは大変そうに見える。実際,大変なのではあるが,それ以上にリブテープの塗り分けは,更に大変で,膨大な時間が掛かる。今回のリブテープは単色なのでまだ良いのだが,ローゼンジー生地のテープの場合,それを塗るだけで正味40時間以上は掛かる。

Gallery 1

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