TWA(Trans World Airlines):1925-2001
第1次大戦終結から間もない1925年にWestern Air Expressとしてアメリカに設立され,最盛期には190機の機体を所有し,内外の132都市を結んでいた。1930年には大陸間輸送に乗り出すため,TAT(Transcontinental Air Transport:1928年設立)と合併し,Transcontinental & Western Airとなった。拙著にも極簡単に触れているが,リンドバーグは国際旅客航路の開発にも携わっており,当時彼はTATで技術顧問を務めていた。
第2次大戦開戦の1939年になると,ハワード・ヒューズによって買収され,大戦後には国際線拡張の為に,それまでの国内線での主力であったボーイング307やダグラスDC-1~DC-3に変わって,ヒューズが設計に関わったコンステレーション(L-749A型)が導入され,それに合わせて社名がTWAに変更された。
その後のヒューズが筆頭株主の時代には,ロッキードのL-1049スーパー・コンステレーションやL-1649スターライナーなどが導入されている。Frank SinatraのLPレコードCome Fly With MeのジャケットにもTWAのコニーが背景にされていることでも有名。
1960年代半ばになると,経営方針の行き違いからヒューズが経営から離脱する。1970年代にはボーイング747などの導入も開始するが,国内線の規制緩和による価格競争激化や,国際航空機業界全体の競争激化に加え,1985年のテロにより打撃を受け,更には1996年に747の構造欠陥に起因する墜落事故を起こしたことで経営が行き詰まり,隆盛を誇ったパンナムやイースタンなどと同じ末路を踏み,2001年にはアメリカン航空に吸収合併され消滅する。