Messerschmitt Bf109 G12 Messerschmitt Bf109 G12
●実機について●
Bf109にはバリエーションが多いが,単座のBf109に改造を施した複座練習機が1944年に製造されている。終戦が近い物資不足の中,この練習機は,新プロダクトとして製造されたものではなく,前線から引き上げて来た機体を改造したものであった。改造の対象となった機体は,G4とG6型である。
Bf109の基本形には,カウリングに7.92mm機銃が装備されているが,G4にもそれが装備されていた。しかし,練習機であるG12では基本的に機銃が外されており,一部を除いて非武装であった。
このページの機体は,G6をベースに改造された機体で,やはり1944年に作られた機体で,機番が”CJ-MK”の試作機である。G6には大型の13mm機銃がカウリング上部に搭載され,その為,機銃のレシーバー(機関部)が胴体内部に収まらず外部にはみ出してしまう。カウリングとコクピットの間にあるコブのようなものがそれを覆うカバーだ。この機体から機銃が撤去されていたかは不明だが,模型では1丁載せた状態にした。とは言っても外見では言われなければ判らない程だが。
G12複座練習機は,後部が教官席で,前後席に操縦装置と主要計器が取り付けられており,後部座席の視界を確保するために,出窓のようなキャノピーが増設されている。また,後部座席のスペース確保の為に胴体内の燃料タンクを小型化しているので,状況によっては,300Lの増槽を抱かせた機体も見られる。
初期の試作機ということで後部座席の後ろ側に胴体との隙間を塞ぐ金属板が取り付けられている。



●制作について●
ベースキットには,スイートのBf109 F4を使った。F4とG6とは,上記のコブが決定的な違いで,コブを追加した。それ以外はほぼそのまま流用した。この機体のポイントとなるキャノピーは,ポリパテで原型を削り出し,タミヤの透明プラバンを使ってバキュームプレスで作った。形状的に一体抜きは厳しいかと思ったが,なんとか上手く抜けた。(2021晩夏)




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