5式戦I甲-2作 ● Ki-100 5式戦 I 甲 第2作 (gosikisen-I-kou) ●  1/144 スケール  

実機について
昭和20年2月に最初の機体が完成した。ki61-II型改(3式戦飛燕)に搭載予定であった液冷エンジン「ハ140」の不調と生産不足により,それまでに生産されていた飛燕の本体の首をちょんぎって,そこに空冷の「ハ112(金星61・62型)」エンジンを載せたものである。終戦間近に生産・配備された関係で,製造数は僅かに390機でしかない。

5式戦にはI型とII型とがある。II型はターボエンジンを積んだ高高度戦闘用であったが,当時の日本の技術と物資では到底実用化は出来ず,3機の試作機の制作途中で終戦を迎えた。しかし,最大限の工夫で,「改造」をして行く日本の技術陣には頭が下がる。

一方,I型には甲型と乙型とがあり,甲型はキャノピーがファストバックタイプで,P51DやMe109などと同じタイプだ。これらのキャノピーでは後方視界が極端に悪いのは乗るまでもなく想像に難くない。外国機ではバックミラーを付けることが普通であったようだ。この問題を解決すべく,日本陸軍は改造を要求し,ドロップタイプのキャノピーのII型が生まれた。ただし,制式にはこの形状の違いが甲・乙の違いではないらしいが。



5式戦 I型 甲の緒元
エンジン ハ112複列星型14気筒1500HP
全幅12.00m,全長8.92m,自重2.52t,最高速度580km/h,上昇限度高度11.500m,20mm砲2門,12.7mm機銃2門


モデルについて
1/144スケールでは5式戦はいずれのタイプもキット(食玩を含む)は発売されていないので,スクラッチすることになる。幸いなことに,飛燕はこのサイズでバンダイから食玩として発売されているので,それを利用しない手はない。しかし,この食玩は通常のプラスティックではなく,硬質ビニルのような材質で通常のプラ接着剤が使えず,パテの付きもいまひとつで扱いにくい。


制作について
愚痴をいっていても模型は完成しないので,図面を1/144サイズでプリントアウトし外寸を定める。主な改造箇所はカウリング部,キャノピー,その後ろの胴体上面,主翼部の胴体側面,主翼裏側の胴体部,垂直尾翼の面積などである。これらの作業は実機に施されたものと同様なのだと考えると別の楽しみも味わえる。

キャノピーは開放状態なので,コクピット内部もそれなりに鑑賞に堪える程度に作った。一方,エンジンは大きめのスピナーと絞られたカウリングのせいで見える部分が殆どなく,思い切って省略した。カウルフラップは1枚づつ作り半開状態。また,胴体のパネルラインは5式戦の特徴でもあるので,出来る範囲で掘りなおし,リベットを打ってある。

タイヤは元のものを流用しているが,主脚はいつもどおりパイプ類で作り,オレオ部やブレーキパイプも再現してある。元の尾輪がもげて行方不明になったので作り変えた。。灯火類は,クリアパーツは使っていないが,左翼の着陸灯は反射鏡と電球を再現し,クリアカバーを付けた。

塗装は明野基地所属の飛行第111戦隊の機体とした。

 ギャラリー1
 ギャラリー2
 ギャラリー3

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