CessnaO2
● Cessna C337 O-2 Skymaster セスナオー・ツー スカイマスター ●


©Julian Herzog/CCA4.0


実機について

1966年に登場したセスナ社の多目的機で,戦後では多くないプッシュプル式のタンデム双発軽飛行機で,主にアメリカ空軍で,コイン機や観測機として採用された。民間でも使用された。総生産数は2,933機。


ベースモデルの主な緒元( )内はレッドブル機:シリアル337-1177
・全長:9m
・翼幅:11.8m
・空虚重量:1,200kg (1,390kg)
・最大重量:2,000kg (2,000kg)
・エンジン:Continental IO-360-C 210hp✕2 (IO-360CB 210hp✕2)
・最高速:320km/h (360km/h)
・巡航速度:230km/h (290km/h)
・失速速度:111km/h
・上昇限度:5,900m
・航続距離:1,550km (1,200km)
・離陸距離:470m
・着陸距離:500m


キットについて
1/48 "Cessna O-2A US Navy Service" ICM

アメリカ海軍仕様のキットである。かつてのICMとは異なり,かなり質が向上している。基本的にパーツの合いは良い。バリはほぼないが,パーティングラインは普通程度にある。ICMはウクライナの会社なので,流通しているキットが売り切れれば,当分は再販はないと思われる。


制作について  (制作2022年12月)
作ろうと思った切っ掛けは,まず,プッシュプルタンデムという珍しい機体で,かつ,主輪の折りたたみが非常にユニークな点にある。残念ながら,このメカニズムは模型では再現出来そうもない。
また,レッド・ブルの塗装が気に入ったのが一番の理由と言える。勿論,デカールは存在しない。塗装は,その後変更されたようで,現在は,ややあっさとしたものになっているようだ。 レッドブルサイトのスカイマスターのページへ。どちらの塗装が先か後かは不明。

サイトに説明を要約すると,「この機体の騒音は,DC6B(ダグラス社の4発旅客機)並のエンジン騒音で,その理由は,タンデム配置のエンジンにある。前方のプロペラで高速かつ乱気流となったプロペラ交後流が,後ろのプロペラにぶつかると,その空気の速度は音速を越えるためである。(私の補足:プロペラ先端速度が音速を越えると,効率が著しく低下することも知られている。そのため,一般的には,リダクションギアで回転数を落としたり,プロペラのダイス(直径)を小さくし,その代わりにブレード数を増やし,先端速度が音速を越えない工夫がされている。ブレード数が多いプロペラを使う主たる原因はそこにある。)また,後ろのエンジンの冷却性が悪いと言う欠点もあるが,片方が故障で停止した時も,もう一方は同じ推力ライン上にあるため,両翼に1発ずつ着いている双発より,遥かに操縦が簡単であるのが,メリットと言える。このタイプの機体が少なかった理由は,これらの短所長所を総合してあまりメリットがなかったからである。」

キットでは,内部の後部座席部に,通信機器等が置かれた状態を再現するパーツが付属していたが,全て使用せず,シートを自作して入れ込んだ。コクピット部は,それ以外の改造は行っていない。また,外装のリベットも今回は省略した。代わりに,エンジンをフルスクラッチした。当初は前後ともにエンジンが見えるようにしようと考えたが,全体のフォルムを残したかったので,自作のエンジンは前方のみに使い,カウリングを脱着出来るようにした。

レッド・ブル機とO-2のオリジナル機との決定的な仕様の違いはプロペラで,オリジナルは2翅のプロペラが採用されている。一方,レッド・ブルのサイトの情報によると,STOL性を高める為に,この機体には3翅が前後共に使用されている。キット付属は当然2翅のものだけなので,それを改造して3翅ペラ仕様に変更した。
また,写真はほぼ完成したエンジンしかないが,シリンダーは,0.15mmのプラシートをポンチで打抜き積層した。更にアンテナ類や一部のランプ類を追加した。

レッド・ブル塗装を,と,意気込んだのはよいが,当然,死にそうなほど面倒くさい。図面はなかったが,2013の機体ということで,複数の写真が存在し,それらを元に,型紙やマスキングを作った。しかし,図柄が細かいので,結局は筆塗りが中心となった。使われているどの色も,隠蔽力が非常に低いので,厚塗りになり,筆跡も残った。表面は厚めにクリアーを重ね塗りしてピカピカに仕上げた。

また,組立図にはカウリング内に10gのバラスト搭載の指示があったが,エンジンを見えるようにすると,機種部にはスペースが殆どなく,小さなガン玉を無理やり詰め込み,なんとかした。メインギアのブレースは実機の特徴を良く表している薄いプラパーツで形成されているが,薄すぎで,変形してしまう。気づいた時には,時既に遅しだった。分かっていれば,アルミなどで作り変えるところだ。腹の下にクッションを置けばいいが,展示にはみっともないので,滑走路に見立てて簡易ベースを作り主輪の広がりが防げるようにした。

何かと問題が多く,かなりの時間を要したが,細かいことに目をつむれば,結構見栄えのする模型となったと思う。1/32のキットなら,もっとアチコといじりたい気がする機体だ。


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