実機について
ドイツ最小の潜水艦である。いわゆるミゼットサブと呼ばれる特殊潜航艇であったが,目だった戦果は挙げられなかったようだ。
1944年の春に完成した後に,324隻が製造された。厚さ3mmの鋼板製の胴体は3ブロックに分かれており,艦橋部はアルミ製で窓には防弾ガラスが使用されていた。各動翼は木製であった。
また,トリム用タンクが装備されていなかった為,操縦性能が非常に低く,一定の深度,特に潜望鏡深度に艇を維持することが困難だった点が,戦果を挙げられなかった最大の理由と言われている。
海面を走行する際には,当時のオペル社の中型トラック,プリッツの32馬力エンジンを使用,また,潜行時には13馬力のモーターを使用した。
最初の実戦配備は1944年8月30日のフェカン港に於けるもので,22隻が出撃したが、湾外に出られたものは14隻、作戦海域に到達出来たのはわずか2隻にとどまった
その後も,オランダのアントウェルペン(アントワープ)のスヘルデ河口での作戦などに参加したが,大した戦果を挙げることもなく,出撃した20隻ほどの殆どが生還することはなかった。やはり設計上の問題,厳しい環境の北の海での運用,更には,操縦者のスキルの低さなどがこの潜航艇の失敗の原因であったようだ。
現在でも数隻が現存し,一隻は走行可能な状態に復元されているという。
主な諸元
全長:8.9m
幅:1.6m
吃水:1.6m
排水量:5.7t
潜行深度: 20m
最高速度:海上 6.5knot(12km/h),海中 5.3knot(10km/h)
航続距離:180km(海上)
爆薬:T-IIIc魚雷×2
発動機:13hp 電動機および32hpオペル製エンジン
生産数:324隻
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