シャルンホルスト  Scharnhorst 1/350 Dragon

潜水艦は好物なのであるが,まさか艦船にまで手を伸ばしてしまうとはなんたる失態!時々ふらりと訪ねる関西の某模型店に展示してあった完成品を見て感化されてしまったのだ。店の人の話ではレベルのキットに多数のEPを追加して作ったものだと言うが,帰宅後調べてみるとレベルからはそのサイズのキットは出ておらず,ドラゴンのキットと判明した。ドラゴン用なら社外EPも発売されているので辻褄が合う。


シャルンホルスト艦上で魚雷を装填する作業員達







呪われた戦艦「シャルンホルスト」のお話。実戦では「幸運な艦」と呼ばれたシャルンホルストには,実は呪われた艦としての逸話も残されている。

1935年5月初め。ドイツ・キールのドイチェ・ヴェルク造船所で1号艦(グナイゼナウ)が,次いで6月半ばにはヴィルヘルム・シュハーフェンの海軍工廠で2号艦の製造が着工した。先に完成した後発の2号艦は,1936年10月初めに進水し「シャルンホルスト」と命名されたが,その姿は純白であった。当初は「戦艦三笠」と同じような垂直なバウ形状だったが,テスト運用中に水被りが酷く,砲塔の電気系統に不備が生じたため,1936年6月にはアトランティック型の形状に改修されると同時に,錨の位置が変更されたが,凌波性はさほど向上しなかったようだ。また,この改修で,特徴的な艦載機格納庫が拡大された。

開戦後は,細身のハルによる高速性を誇り,大きさと性能から巡洋戦艦とも分類される。ドイツの海軍兵に人気の高い艦であったという。北海を中心に実戦配備され,4年間の交戦でも大きなダメージを負うことなく「幸運な艦艇」と言われていたが,1943年12月22日夕方,ノルウェー沖で英国輸送船団の攻撃に向かうが,護衛の英国戦艦「デューク・オブ・ヨーク」の砲撃を被弾,持ち前の高速の足を生かして一度は離脱するもい,やがて英国駆逐艦にとどめを刺され,夜の7時45分海のモクズと化した。最後の作戦時の乗員数は1,968名で,英国艦により救助されたのは僅かに36名であった。

それでは「シャルンホルスト」七つの呪いをご賞味下さい。
@製造の初期段階で,ドッグで横倒しになり作業員数十名が死亡,艦を引き起こし,造船作業を再開するのに3ヶ月を要した。
A欧州の習慣として,新造船には一般市民から抽選で選ばれた女性が船に洗礼を施すのだそうだが,無作為に選ばれたその少女が謎の自殺を遂げてしまう。
B海外へのプロパガンダの為,ヒトラー,ヒムラー,ゲーリングなどの面々の目前での進水式がセットアップされたが,その前日に勝手に進水台から離れ,脇のセレモニー用飾り船を破壊しつつ入水してしまった。
C最初の艦長となるはずの男が突然死を遂げる。
D主砲塔の暴発で9名の乗組員が死亡,他の砲塔でも空調の不調で12名の砲撃手が窒息死を遂げる。
Eオスロ包囲攻撃の際に,シャルンホルストは大きく被弾しつつ,なんとか逃れるが,その途中,レーダーの不備で当時の世界一の客船「ブレーメン」に衝突。見張りが死亡している。その後挫傷した「ブレーメン」は,大戦中そこに置き去りにされ,英国爆撃隊の目標物となってしまう。
F最後の逸話は,沈没後に救命ゴムボートで岸にたどり着いた2名の乗組員が後に発見された時,暖を取るための非常用石油ストーブの爆発で死んでいたという。それまでのラッキーを使い果たしたシャルンホルストは,つじつまを合わせる為に沈没後も呪いを解かなかったのだろうか。


【性能・仕様の概要】
排水量:37,820t(最大)
全長:235.4m
全幅:30m
エンジン:ブラウン・ボヴェリ式タービンエンジン3基
出力:約16万馬力
最大速力:60km/h(32knot)
航続距離:13,150km(7,100浬)/35km/h(19knot)
乗員:1968名
艦載機:Arado Ar196a-3×3
火力:主砲28cm×9門(射程42km),連装副砲15cm×8門(射程23km),単装副砲15cm×4門(射程22km),高角砲10.5cm×14門(射程17.7km),大口径高角機関砲3.7cm×16門(射程8.5km),中口径高角機関砲2cm×22門(射程4.9km),魚雷発射管53.3cm三連装×2基(実戦では未使用)



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完成写真/別ウィンドーへ(2013.5.7)


ドラゴン1/350キット (2012.8.26)


艦載高速舟艇(2012.9.1)


銃火器(2013.2.1)


ハル・甲板(2013.3.1)


艦載機・ハンガー(2013.3.15)
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