シャルンホルストの艦載機と格納庫
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1/144の飛行機を作っていた頃から,一度1/350スケールでどこまで作れるかやってみようと思っていた。シャルンホルストの艦載機は複座ということで大きめの機体だ。よってそこそこまで作れそうだ。あまりこだわってディテールアップするのは時には害になるというのが持論だが,敵は飛行機なので出来るだけやってみたい。

艦載機はアラド(Arado)AR196A 複座機が3機で,2機がカタパルト上に配置,1機が格納庫に収まる。この艦載機はキットにもフライホークのエッチング・セットにも含まれない。ライオンロアのエッチング・セットには入っているようだが,他のパーツの関係でフライホークのものを選んだので,別途レジンのアラドを購入した。「L'ARSENAL」というフランスのメーカー製で,一体型(フロートは別パーツ)のレジン機体とプロペラとフロート支柱がエッチングで2機セットで確か1500円位だった。3機必要なので,2セットを購入した。このセットの出来はまぁまぁと言ったところだろうか。



1/350の艦載機用模型では,ソリッドのキャノピーを水色か白で塗るか,骨組みだけの奇妙なエッチング・パーツでお茶を濁すことが殆どのようだ。当然飛行機がメインの私は,キャノピ―の型を削り出して作り,その後,0.2mm厚のクリアプラ板を使ってバキュームプレスして作った。また。格納庫内の1機はキャノピー開状態とし,外の2機は閉状態にした。
となると,内部もある程度作る必要があり,シートや簡単な機材をざっと作り埋め込んだ。このスケールになると細かさよりもシャープさが命だが,あまり満足の行くものとは言えない。取り敢えず「可」といったところだろうか。スケールが小さいことをいいことに国籍マークは適当に手描きしておいた。それ以外の文字などは面倒なので省略。折りたたんだ翼に国籍マークを描いていないのはハンガー内に置くと見えない為。





さて,艦船モデルというのは一見メカニカルに見えるが,その実,メカニカルな部分はない,というのが持論である。複葉機ならエンジンや操縦席の機器などが,まさに「メカ」であるが,艦船模型では当然エンジンは見えないので,それを作り込むことはない。同様に操舵室の計器類を再現することもない。せいぜい外側を這う配管や網目の通路程度のもので,それらをメカとは呼ばない。強いて言えば裸の状態の高角砲や機銃はメカと呼べるだろうし,そこそこのディテールアップもしているが,なにぶん,艦全体の大きさの中にあっては主役には成り得ない。



そんな中にあってこのシャルンホルストには天井がスライドして開く艦載機ハンガーが装備されている。キットでは1段分のシャッターが元々開状態・閉状態を選択出来るようになっているが,今回は閉状態で固定されている2段目のシャッターを改造し,両方共スライドした開状態に仕立てた。理由は言うまでもなく,翼を畳んで格納された艦載機が見えるようにする為だ。それに伴い,ハンガー内部を徹底してディテールアップした。



また同時に,暗い内部がよく見えるようにチップLEDを使ったギミックを組み込んだ。するとただ覗き見えるだけでは面白くないので,プチジオラマに仕立てることにした。格納された艦載機を整備する様子で,具体的には開けたカウリングから見えるエンジンを整備する整備士と,燃料をドラム缶から給油する作業員を配置する。(この写真ではまだ配置していない)幸いこのシャルンホルストのキットには非常にシャープでスケール感があるフィギュアが数体付いている。



モーターによるギミックや,LEDの数が10個以上などの大量になるどボタン電池では苦しいが,今回はこのハンガーと司令室2室とサーチライト2個の5個の予定で,総電流量は100mA程度で,なんとか電池でまかなえる。
電飾は1608サイズの電球色チップを採用する。サーチライトは白色でも良いと思うが,作動電圧が電池の定格を上回るが,それでも実験してサーチライトらしい輝度が得られるなら,白にする予定だ。世間では青色・白色のLEDが一時話題となり,いまでも1/1の世界ではよく使われるようだが,模型ではやはり電球色というのは貴重だ。
最近のLEDはどれも高輝度で,模型で使うには逆に輝度を落としたいことがある。電源はどこでも安く手に入るCR2032とし,輝度調整用に半固定可変抵抗器をかました。このボタン電池は3Vで,このLEDの場合には電流制限抵抗は入れなくても壊れることもない。正確には,電池が元気なうちは,定格を0.1ないし0.2V上回る場合があるが,限界電圧ではないと思われる。ディスプレーの構造を簡単にするために,電池も可変抵抗も1個1系統のみとしたので,LED毎の電圧変更は出来ない。ただし固定抵抗併用で特定のLEDを暗くした上で更に可変することは出来,司令室のみ暗めに設定することは可能なので,これも実験したあとで決定するつもりだ。

ハンガーの電飾に伴い,ディテールアップした内部の様子や航空機は当然よく見えるようになったが,外に漏れる光の演出も行った。壁の丸窓からも光が漏れるように開孔し,そのままでは光が強いので,瞬間を孔に流し込んで明るさをやや抑えている。これらの窓や換気口の網や換気扇のシャッタの隙間から漏れる光の効果は絶大だ。



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