トラブルと対策 4

2010.08.11


メーターレンズの掃除 (41,700km)


写真はあまりの暑さにくじけた「溶けパンダ」ではない。半年近く工場に預けっぱなしにしてあったときに湿度などの影響で発症したと思われる「曇り」だ。レブメーターの方が酷かったが,時計のレンズの上部にも曇りが発生していた。その後,2回目の幌修理に持っていくまでの間,様子を見ていたが直る様子がないので,重い腰を上げた。




当然外側を拭くが直る訳もなく,分解することになる。曇りは内側の表面であるのが確認出来た。しかし,表面の曇りと言っても単に水蒸気が付着したようなものではなく,水性以外の揮発性のガスでも吸い込んだような感じだ。ことによると幌の内スクリーンの清掃で使われたケミカルかも知れない。根拠はないが,新品を取り付けてまだ1年半だし,自宅に置いてある間は全く異常がなかったので,ついつい疑ってみた。ただの濡れ衣かもしれないが。




プラスティック用のシンナーで拭ってみると一時的に曇りは消えるが,また戻ってしまう。そこでコンパウンドで磨くことにした。写真にあるように,プラスティック専用のマイクロ粒子のコンパウンドだ。プラモデルの制作用だが,何にでも使える。根気さえあれば,多少の傷は完全に消せるし,ガラスのようにピカピカにも出来る優れものだ。若干高いが,ひとつ手元にあると便利。車用のコンパウンドと模型用との基本的な違いは,溶剤に油を使っていない水性であるという点だ。取りあえずピカピカに磨いたが,このまま曇りが戻ってしまわなければいいが。商品名は画像でわかると思う。ちょっと大き目の模型屋やジョウシンやヨドバシの模型コーナーでも売っている。




メーター・レンズ部を分解するとこうなる。外側の装飾リングは指の爪で簡単に外れる。レンズ本体は左右各2本の爪で嵌っているだけなので,爪の上の方の隙間に細いマイナス・ドライバーを入れて軽くこじると外れる。外側(裏側)のケースが薄いので,高年式で紫外線などで硬化している場合には割れに注意が必要だ。




ピンクの矢印の爪とホゾが左右に各2個ある。上下にはない。この部分を合わせて押し込めば嵌る。レンズは傾斜して嵌められているので上下を間違わないこと。外(シート側)にでっぱっている方が下で,奥に入っている側が上になる。外側のリングには大小複数の爪があるが,青い矢印の一番小さな爪が真上側になるように位置決めして嵌る。また,メーターの針も真ん中の黒鼻をまっすぐ手前に引けば外れ,下の目盛り板を外して中身が見えるようになるらしいが,必要ないので今回はバラしてはいない。角度が変わると面倒だから。






2010.11.11


今更ながらのジャッキポイント


初歩的ながら結構考えてしまうのがジャッキポイント。よく観察すればわかるのだが,普通のタイヤ屋さんに行くと,後輪の交換時には必ず下の写真の位置ではなく,真後ろから見える太いパイプに掛けようとする。実はこのパイプはエンジンを支えるフレームで,左右と前方の3個のエンジンマウント(ゴムダンパー)でシャーシーに取り付けられている。よってこの部分にジャッキを掛けるとダンパーゴムを傷める。
マウントが新しいうちならまだいいのかも知れないが,古くなって亀裂などがある状態でここにジャッキを掛けると,ゴムがぶち切れる可能性が高い。勿論,傍のオイルパンに掛けたら割れて終わりだろうが,幾らなんでもそんな輩はいないだろう。なるべくジャッキポイントに掛けませう。


下の写真は前方のジャッキポイント。アンダーカバーやサイドカバーが妙なことになっているが気にしないでおこう。このヒレの部分を挟んで(またがって)内外に掛かるようにすればよい。




後方部も写真のように同じような感じになっているのですぐに分かるだろう。






2010.11.12


車検終了 (43,500km)


本日カブリオが車検から帰って来た。勿論,ちゃんとした軽フェンダーとそれに収まるタイヤホイールだ。今回は中2日で返還されたので嬉しい。カブリオに乗るのに一番いい季節だからだ。費用詳細は
別ページに掲載するが,総額は8万5千円。まだ4万kmなので目立った問題もなく,ブレーキオイルだけ交換してあった。

実は,今回の車検の前にホーン(クラクション)が鳴ったり鳴らなかったりするようになっていた。車検に持ち込んだ日には元気に鳴っており,車検中に点検してもらうように頼んであったが,色々試したが症状が出ず,そのまま通過した。

車を受け取る時点では問題なく作動しており,数分走行後も問題なし。隣の町でクルクル寿司を食べて駐車場を出て,信号が変わったので発進しようとしたところ,脇見なのかボケているのか確信犯か,おばちゃんが平気で赤信号を無視して突っ込んで来た。信号が完全に変わって2〜3秒は経っているのに。

驚いた俺はクラクションを勢いよく押し,気違いおばはんに抗議の意を示そうとしたが,クラクションもびっくりして気を失ってしまったらしく,うんともすんとも言わなかったのだ。このクラクション,とっさのことでびっくりすると鳴らなくなるらしい。

その足で工場に戻りちょっとみてもらうが,よくわからない。なんとなくリレーのはまり方が問題のようだという結論になったが,基盤をごっそり変えるしかないかなぁという連れない返事。きっと他の仕事で忙しかったのだろう。「間単に外れますよ」,という割りには基盤を外してまでチェックはしてくれなかった。

代わりに基盤の外し方を聞いて帰宅後自分で見てみることにした。基盤交換じゃぁえらい出費じゃ。






ホーン(クラクション)の不調と対応

ここからがその作業。これと同じ症状になる人などまず居ないだろうが,ありがちな原因なので書き留めておくことにした。

症状
ホーンが鳴ったりならなかったり。ただし,鳴らない時にもリレーの作動音はしている。

推定原因
上記の状況からスパイラルからリレーまでは問題ないだろう。そこでリレー部から外側の配線とホーン自体をチェックしてもらったが問題なし。折りよく発症したのでリレー部を再度確認すると,リレーを指で強めに押さえると鳴るようになる。そこでリレーの足とソケットとの接触を疑う。処置をすることもなく,ここまでで工場を後にした。

なんか腑に落ちないので工場でチェックした結果を帰り道に色々と考えてみたところ,ある可能性が浮かんだ。これは電子機器やバイクなどでも数度経験していることだった。


リレー基盤の外し方

全体の流れ ハンドル下(左ハンドル)のフェルトのカバーをめくるとすぐに見える。リレーとヒューズが下向きに刺さっている。つまりダッシュボード面(天井)に基盤はくっついている。中を覗き込むのはちょっと体勢がきついし暗くて見えにくいのだが,手前側(シート方向)に2本のビスがあってそれを外すだけで取れる。

まずは下の写真。これがリレー本体。リレー基盤には同じようなものが複数刺さっている。同規格かどうかは知らないが,見た目は同じ。リレー自体に問題はなさそうだったが,工場にあった中古リレーを念の為にと1個くれた。




その@
下の写真は床に後頭部をつけて,上向きにダッシュボードの天井(裏側)を見上げたところ。写真内に指示があるように上側がシート方向で,下側が奥(前方)になる。手前側の2本のビスを外す。その間にあるビスらしきものはプラスティックの棒で,上側から乗っかって刺さっているだけなので,2本のビスを抜いて押し上げると外れる。




そのA
奥側はプラ製のアームのようなものがボディーの金属の板に嵌っているだけなので,嵌り方をよく見て少し捻れば取れる。太細多数のケーブルが来ているので基盤を動かすのは簡単ではないが,デリケートな細い線はないので思い切って動かせば落ちてくる。

これは外れた後の写真だが(基盤を外さなくても見える),表面の赤枠のところにホーン用リレーが挿さる。その上にあるのはコンピューターチェッカーをつなぐ端子。とりあえずカップラー(クリンゴンの戦士ではない)を外したり,ケーブルの結束バンドをほどかなくても裏面がはっきりと見えるような位置には移動出来る。




そのB
意味があるのかどうだかわからないケーブルカバーが裏側に嵌っているが,四方の辺に爪(×のところなど)で留まっているだけなのでマイナスドライバーなどで1辺の2個の爪をずらしてやると後はベリッと外れる。




そのC
こういう具合に裏(上)のカバーは外れる。




そのD
この時点で表側のホーン用のリレーの差込位置を再確認する。写真は外した基盤の表側のクローズアップ。矢印の部分の穴に注目。他の3個の穴と明らかに様子が違う。思い当たった通り,やはりこれが不調の原因だった。




そのE
裏面はタコの木の根っこのようにごちゃごちゃしているので,ほぼ中央のリレーの位置の配線に至るのに他のケーブルをかき分け,ようやくその部分に辿り着く。

うぅ〜ん。他のリレーのコネクー受け(メス)の金属接点は基盤の穴の奥深くにもぐっているのに,1本だけ金属基盤から少し飛び出して頭が見えているのがある...引っ張って見るとこうなった。




下の写真はそのクローズアップ(見事なまでの後ピン写真だw)。そう,カップラー(便宜上プラスティックの本体の意味で,この場合には基盤自体)の穴にこういったオス・メスの金属コネクターが刺さっているのは周知の通りだが,この金属片はカップラーの裏側(後側)から差し込まれており,表側からオスのピン(この場合にはリレーの足)が押し込まれる仕組みだ。




まれではあるが,メスの穴がきつく,本来刺さるべき位置にオスピンが入らないことがある。メス(オスも)ピンには返しの爪があって,カップラー内部に差し込んだあとに開いてつっぱるような構造になっている。その取り付けがいい加減だと,力ずくで押し込まれたオスのピンによって,メスのピン自体が抜けてしまう場合がある。いやぁ〜ん♪

言葉で書くと分かりにくいがそういうことだ(どういうこっちゃ?上に書いたこっちゃ!)。特に小電力の電子パーツ(コネクター)ではよくある。バイクのカップラーでもそういうことがあった。メスにオスのピンが挿さらずにピン自体が押されてプラ部分から抜けてしまうのだ。

返し部分をちょっと手直しする。あまりいじると弱いので折れてしまって,はい,それまぁでぇよ。金属端子の向きを確認し,挿し込み直すのだが,なんせ奥深く照明もうまく当たらずよく見えない状態なので,ここでちょっと手間取ったが,間もなく完了。コードを引っ張っても大丈夫。リレーをぐりぐり押し込んでクラクションを押すと元気に鳴る。少しニンマリとなる。後は基盤を元に戻せばいいだけだ。


まとめるとこういうことだ(くどい?)。つまり,リレーの入力側(コイル側)の2本の足はソケットにがっちりと嵌っていたので,ホーンボタンを押せばカチカチと作動音がしていた。一方で,出力側(ホーンに通電する側)の2本の足の内の1本が,挿さるべきソケットがリレーの足に押されて下がってしまっていて挿さっておらず,かろうじてオスの突起の先っぽとメスの穴の縁の部分だけがチョメチョメしていたのだ。うぅ〜ん,なんともエロい状況ではないか♪

よって道路の凸凹の振動などの影響で調子がいいと鳴り,びっくりして衝撃が加わるとたまたま離れてしまって鳴らなくなっていたのだ。いゃぁ,ある事象が起きるには必ず原因があるものだが,分かるとすっきりする。原因不明(原因がないわけではなくわからないだけ)のままで直るとなんとなく後味が悪いからなぁ。


ただ,外した基盤のカバー(穴だらけの蓋)を戻すのが大変だった。ケーブルをかき分けたので広がってしまってうまく収まらない。テキトーに被せて終わりにした。基盤自体の取り付けはちきんと行ったので,まぁ,いいでしょう。それよりも基盤を取り付けてあるダイキャストらしきアルミの土台にごま白サビが出ていたのが気になった。特に清掃もせずそのままにしたが,車内のあの場所であれほどの湿気があるのも不思議だが,それでもリレーやヒューズはそれらの接点が綺麗なままというのも不思議だ。

クーラーのドレインは処理済みなので車内への流出はないが,やはりクーラーの結露などが原因なんだろうなぁ。なんだかんだと言いながらも自力で完治しました。