MCC smart coupe




乗ってみる前, smart の魅力は外観に尽きるでしょう。横から見た時のドアばっかりのフォルム。後ろから見た時のグラマラスな足回り。前から見れば可愛いお顔。アクアカラーをはじめとする国産にはないポップなカラーとデザインバリエーション。この外観に魅せられてsmartが欲しくなる人がほとんどでしょう。

シートに座ると,外観とは相反する空間の広さに驚くでしょう。左ハンドル仕様のスマートの運転席の足元は兎に角広い。シートを一番後ろまで下げるとブレーキが踏み切れなくなります。また,smart は外装・内装ともにプラスティックを多用していますが,安っぽさが微塵もないところは特筆に価します。

走り出すと,車高が低い訳ではないですが,どっしりとした,そして路面に貼りつくようなステアリング感覚,独特の排気音と独特のミッション,それらもスマートの味です。味には好き好みがあります。あなたがどちらになるかは乗ってみないとわかりません。

スコスコのパワステもありません。わずか600ccのエンジンではこれみよがしのパワー感や加速感などはあるはずもない。しかし,そんなに小さなエンジンの軽量車とは到底思えないどっしりと落ち着いた挙動が大きな魅力です。国産軽の半分のエンジン回転数で巡航出来るのも特徴です。

とはいえ,「とろい」という意味ではありません。コントロール時の一体感やスムースな加速感は国産の軽やリッターカーとは一線を画します。そのポップで派手な外観とは反対に,非常に渋い,粋な(=smart)走りが楽しめます。


贅を尽くしたという感覚は全くありません。節操のある品質には好感がもてます。質実剛健ですがスゥオッチのセンスとこの車への想いは贅沢過ぎるほどあふれています。この価格でこんな車が出来るとは,ドイツ人の車に対する想いには関心するばかりです。

オーナーとなり一度この味が気に入った人は,なかなか手放したくない車のはずです。アナログ録音のレコードのような味があります。カタログスペック(数値)に現れてこない部分がsmartの魅力でしょう。

決して完成度が高い車ではありません。ケチをつければ幾らでもつけられます。でも運転して出かけるのがとても楽しくなる車です。そんな魅力をこのホームページを通して感じてください。