Flyingsub Gimmicks
 ● フライング・サブのギミック ●

【LED点滅ユニット】



現在は,超小型のLED点滅装置が安価で売られており,赤外線無線コントロール式のものでも4千円前後で買えますが,今回は多くのLEDを使うため,そこそこの電流を流せる許容電力が少し大きなICを使た回路を自作して所謂ナイトライダーと呼ばれる基盤を作りました。使用したのは,LED点滅用に予めプログラムされた「CDT 7350-0」というチップで,3~12Vで作動します。このチップは,10チャンネルの5モードコントローラを持つものです。つまり10個のLEDを,5つのパターンでコントロール出来ます。

ちなみに,「CDT 7350-2」という6チャンネルのチップも販売されています。10チャンネル版は1個150円,6チャンネル版は100円という安価で購入でき,周辺のパーツも非常に少ないので500円もあれば作れます。船体のスペースは充分にあるので,今回は手持ちの汎用の蛇の目基盤と一般的な部品を使って2.5㎝×4㎝と,あまりコンパクトさは考えずに組みました。

実際には,各チャンネルに2個のLEDをつなぐことも出来るので,20個位まではつなげそうです。点滅パターンが5通りに変更出来ますが,それとは別に点滅速度をコントロールすることも可能ですが,今回は,自分でプリセットした状態で固定にしました。2個の基盤を入れ込みました。5通りの点滅パターンは,シーケンシャルではなく,独立した4個の非接触スイッチ使って切り替え可能にします。



回路図


発光パターンは,次の5通りです。複雑なオジリナルのパターンを作るには,アルドゥイーノなどを使ってプログラミングする必要があり,基盤もやや大きくなります。

①順点灯(1個ずつ順番に,点灯して消えるを繰り返す)
②全点滅
③順送り(点灯が1個ずつ順番増え,点灯したまま10個目まで行くと,全て消えるを繰り返す) ④全点灯
⑤①が往復する

今回は,それぞれの計器盤の「ランプらしき部分」にピンバイスで孔をあけ,裏面に仕切った部屋を作り,そこに1個ずつLEDを取り付けました。これは,支那製の多色のLEDが安価に買えるようになったためで,買った多量のLED(アマゾンで送込10色×20個の200個で800円)を消費する目的もあります。もっとスマートな方法としては,光ファイバーを使う方法がある,これだと,同じ発光パターンにはなるが,1個のLEDで多数のランプ(の場所)を光らせることが出来ます。スペースのない場合には有効です。
ちなみに,今回のように安い支那製のLEDは機械的に弱いようで,足を曲げる際には注意しないと,プラの部分が欠けたり,その部分で断線しやすいようです。電気的には問題ありません。百均で売っているようなプラの仕切りケースに入ってこの値段だから,文句をつけるどころか,実にありがたい話なのですが。

LEDには,一般的な3φと5φの砲弾型と,小さなチップ型とがあります。チップ型は1mm,2mmといった極小なので,何処にでも配置出来るので,飛行機模型などにはチップLEDを使ってますが,小さい分,配線のはんだ付けが面倒ですね。今回は3φのLEDを多用しました。多数のLEDの使用のサイズ以外のデメリットは,消費電力が増えるという点です。1個当りの消費電流は20mA程度ですが,40個も使えば0.8Aほどにもなってしまい,ユニットの消費分も入れれば1A近くになります。正に,塵も積もれば山となるですね。ちなみに,規格では,1ch当たり,2~3個のLEDを並列に繋いでも問題ないようです。

ACアダプターを電源とすることも考えたが,常時点灯する訳ではないので,より使い勝手が良い乾電池式にしました。やはりケーブルをコンセントに繋ぐのは面倒です。2本の単3,3Vで稼働しますが,LEDは色によって輝度や使用電圧が異なるので,電流制限抵抗で調整しています。

コックピット部の室内灯と,ヘッドライトは,点滅ユニットとは別回路で,それぞれ独立してオンオフが出来ます。



【静電式スイッチとLEDの配線材】
近年では,多種の電子パーツが完成ユニットとしてごく安価に購入できるようになりました。例えば,この静電式スイッチも,実は1個当たり20~40円ほどで買えますが,優れものです。このスイッチは感度が高く,接触は勿論,指を2cm程度まで近づけただけでも反応します。感度は,IC横の空きランドに500K~2MΩの抵抗を入れて,調整ができます。なので,間にプラバンや紙があっても問題ありません。これにより,模型側に穴あけをする必要がなくなり,10×15mm厚さは5mm程度なので取り付け場所の自由度も大幅に上がります。許容電流は調べてありませんが,大電力の制御には,リレーやスイッチング回路などを噛ますことが必要ですが,小電力の今回のLED制御ユニット程度なら,充分に直接制御出来ます。

LEDのリードからの配線には,昔使っていたパソコン用のIDEフラットケーブルをバラして使いました。ビニール被覆の中は単線です。ウレタン被覆線(昔のエナメル線)でもよいのですが,こちらは必要に応じてくっついた並行線が作れる上,被覆を剥がすのが簡単なので,我ながらグッドアイデアでした。写真の左の方のフラットケーブルは,1.27ピッチの撚線芯線ケーブルで,電流量は微量な割に太すぎて取り回しに邪魔です。写真にはありませんが,太さとしては,AWG30番位がちょうどよく,LEDリード以外の部分には,被覆がはんだ付けで溶けないシリコン被覆の撚線芯の単線を併用しています。






【サウンド・ユニット】




サウンド・ユニットは,アマゾンで300~500円程度で買えるスピーカーとマイクが実装されたオールインワンのユニット基盤をそのまま使いました。2~3年前の円安になる前なら半値近くで買えていました。録音再生用の汎用マイコンチップISD1820が使われています。同じ基盤は,幾つものショップで販売されていますが,購入したのは「KKHMF」というところが販売している商品です。
早く欲しかったので,日本発送の少し高いもの(2セット990円送込)にしました。支那発送だと2~3週間ほど掛かりますが,今でも送込300円ほどで買えます。
本品は10秒の録音時間ですが,千円ほど出せば,数分まで録音出来るものも購入出来ます。付属するスピーカーは,見た目は貧弱ですが,そこそこの音が出ます。アンプの特性からも音楽用とはいきませんが,スーパーでよく見る「呼び込み君」程度の再生は可能で,音量もバッフル版をつけると結構な音量です。模型のギミックとしては充分だと思います。ただ,音源は空気録音(再生機から出る音をマイクで録音したもの)になり,mp3データなどを直接読み込めるものではありません。



(備忘録)
・稼働電圧は3(2.4)~5(5.2)V
・RECスイッチを押している間だけ録音され,録音中は基盤上のLEDが点灯し,時間が来ると勝手に終了する
・録音時間はデフォルトでは10秒前後
・FTとVccを繋いでいるあいだは,録音されず,直接マイクの音をSPで再生可能な拡声器モードになる
・P-EショートでPLAY-Eボタンと同じ機能(一度押しでファイル全体を再生)
・P-LショートでPLAY-Lボタンと同じ機能(ONの間だけ再生)
・RECショートでRECボタンと同じ機能(ショートとは”Hi(Vcc)”に短絡)
・縦のジャンパーをP-E(下にずらす)差替で連続再生(各再生サイクル毎に一度途切れる)
・右上のR4の抵抗値変更で,録音時間を延長できる(ビットレートが落ちる)
 デフォルトは100kΩで10秒
 80k=8s/8kHz,100k=10s/6.4kHz,120k=12s/5.3kHz,160k16k/4kHz,200k=20s/3.2kHz
・アイドル電流はほぼゼロで,録音時に15mA,再生時に70mA前後が流れる



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