Kits & History

キットの変遷と歴史


キットの歴史の紹介の前に,番組作者の紹介。実写でのSF番組を制作したアーウィン・アレン(Irwin Allen:1916.6.12-1991.11.2)は,イギリスのスーパーマリオネーションの旗手,ジェリー・アンダーソン(Gerry Anderson:1929.4.14-2012.12.26)と共にSFドラマの制作での双璧をなす人物で,当時のテレビ界で一世を風靡した人物だ。

【アレンの代表作】
以下,TVドラマ作品
「The Lost World(邦題:失われた世界) 1960年」
「Lost in Space(邦題:宇宙家族ロビンソン)1966-68年」
「Voyage to the Bottom of the Sea(邦題:原子力潜水艦シービュー号)TV版1964-68年」
「The Time Tunnel(邦題:タイムトンネル)1966-67年」
「Land of The Giants(邦題:巨人の惑星)1969-70年」

以下,映画
「The Poseidon Adventure(邦題:ポセイドン・アドベンチャー)1972年」
「The Towering Inferno(邦題:タワーリング・インフェルノ)1974年」など。


【アンダーソンの代表作】
以下,リップ・シンクロイド(または,シンクロナイズドまたはシンクロとも)・システム(lip Synchroid system)を使ったスーパーマリオネーション作品
「Stingray(邦題:海底大戦争スティングレイ)1964年」
「Thunderbirds(邦題:サンダーバード)1965年」
「Captain Scarlet and The Mysterons(邦題:キャプテン・スカーレット)1967年」
「Joe 90(邦題:ジョー90)1968年」など

以下,実写:彼は当初より実写で撮りたかったが,予算がつかなかったのだという。
「UFO(邦題:謎の円盤UFO)1970年」
「SPACE:1999(邦題:スペース1999)1975年」など




【模型の変遷について】
母艦となるシービュー号は,テレビドラマ化の翌年の1965年には,Auroraから1/350で発売されています。その後,70年代,80年代,90年代,2k年代以降も恐らく同じ金型で,MoebiusやPolar Lightsやとメーカーを変えながら再販が繰り返されています。 日本ではミドリやユニオンや童友社からも発売されていますが,これらの日本勢は同一金型だと思います。海外ものと同じかは判りません。またGeneral Products(日本)からは1/400のバキュームキットが出ています。 Masterpiece Modelsからは1/350のレジンキットが,Lunar Modelsからは恐らく1/150の大型レジンキットが出ています。大体は,母艦とこのフラサブがセットになっています。

2009年版1/32(本モデル)


本モデルで使用したアクセサリーキット


2015年版1/32(フィギュア2体付属)


ツクダ・ホビー1/60 (1989)


メビウス1/128 (2009)



面白いのは,コグレという日本のメーカーが,シービュー号という名のパクリキットを4種出している点です。基本形は同じですが,あちこちに勝手な改変が加えられています。どれも激レアですが,そのうちの1個(下写真の一番上:型番SF 108-400)のキットが2022年のヤフオク出品物が,10万円で落ちていました。








(写真出処不明につき,著作権所有者はご連絡下さい)

一方のフラサブ単体も様々出ています。Comet Miniatures(1/350?メタル1980年代),ParaGrafix Modeling SystemsやLunar ModelsやMonkey Worksからそれぞれ1/350のレジンが発売されていました。日本では,General Productsが1980年代にバキュームを出しています。

インジェクションでは,メビウスが母艦とのセット用に作ったと思われる1/128が単体でも販売されていました。1/60では,1964年にオーロラが初版を発売し,以降,カナダオーロラ,モノグラム,ツクダホビーの順で,再販が繰り返されています。1995年のモノグラム版が最新のようです。どれも金型は同じだと思います。私もツクダ版を持っていますが,ちょうどいい大きさですね。

本作の1/32のメビウスのキットは,同社の新金型の完全オリジナルで,2009年の初版キットです。その後,2015年に,室内クルー2名がついたものが同社から再販されており,今ならまだ入手可能です。ロット数は知りませんが,5年ほどで完売して再販っていうのは,いまどきのプラモデル市場では,ガンプラ以外ではあり得ない話ですね。
半世紀に渡って再販が続いているという事実以外にも,数社からアクセサリーパーツが出ており,キャラの人気の高さが伺えます。

ちなみに,フラサブは,熱核反応エンジン搭載で,水中で時速250kmで,サンダーバード4号の時速300kmにやや劣り,空中でもマッハ2.8と,鈍足なサンダーバード2号のマッハ6.5の半分ほどでしかありません。ちなみに原子力ロケットエンジン(核熱ロケット推進装置か?)を搭載したサンダーバード1号の飛行速度は,マッハ20です。

スティングレイ(水中での速度はなんとマッハ1!最大潜航深度は11km)も美しいデザインですよね。日本の漫画でも,青の6号やサブマリン707のジュニア艇などがありましたが,デザイン性では,シービューやフラサブやスティングレーの足元にも及びませんね。 




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